日本「ジェンダーギャップ指数」世界116位 政治分野では“ワースト10”
男女の格差を数値化した「ジェンダーギャップ指数」のランキングで、日本は146か国中116位、中でも政治の分野で146か国中139位と、世界ワースト10に入ってしまいました。なぜ、日本は男女間の不均衡がなかなか解消されないのでしょうか。
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13日、都内で「会社で『男女格差』を感じる?」と街の人に聞いてみました。
会社員(30代)
「管理職は男性が多い、7割男性」
会社員(20代)
「お茶くみ的なそういうのは、『女性がやりなさい』みたいな雰囲気を感じる瞬間はあります」
会社員(20代)
「女性のほうがキャリアを続けるのが難しい分、賃金が上がりにくいなというのは、はたから見て思います」
今回、日本は「ジェンダーギャップ指数」で116位となりました。中でも、「経済」分野は121位という結果になり、「賃金」や「管理職の割合」に顕著な男女格差があるとされました。
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今年から、新たな取り組みを始めた企業もあります。
取材した株式会社リクルートの加藤さんに、「説明力」といった、管理職に必要なスキルが書かれたシートを見せてもらいました。これまでは、過去の管理職のイメージから力強いリーダーシップなどが評価され、男性が選ばれることが多かったといいますが、要件を明確にしたことで、「女性にも適した人がいる」と客観的に判断できるようになったといいます。
株式会社リクルート 加藤剛史さん
「倍近く(女性の管理職)候補者が増えているというのは、大きな変化かなと」
また、28歳前後の女性社員らを対象に、結婚や出産をしながら、どうキャリアアップしていくかを考える研修を実施しました。
リクルートグループは、「2030年までに、あらゆる階層で女性比率を50%にする」という目標を掲げています。
株式会社リクルート執行役員 柏村美生さん
「ジェンダーパリテ(男女同数比)にとりくむことというのは、ダイバーシティーの大きな第一歩」
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有働由美子キャスター
「いろんな取り組みがある中で、日本は146か国中116位ということでした。ジェンダーギャップ指数ですけれども、『政治』の分野を見ますと139位で、世界ワースト10に入ってしまいました。この『政治』の分野で重視されるのが、過去50年間に『女性元首のいた年数』、それから『閣僚の女性比率』、『国会議員の女性比率』の3つだそうなんです。ずっと言われてますけれども、本当に変わらないですね」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「そうですね。例えば、先日、有働さんが取材をしたアーダーン首相のニュージーランドは4位。メルケル前首相が在任16年に及んだドイツは、8位というふうになっています」
有働
「日本では、女性の総理大臣もちろんいませんけれども、閣僚もまだまだ少ないですもんね」
小栗
「そうですよね。ただですね、この間の日曜日に投開票が行われた参院選では、女性の立候補者も当選者も、過去最も多くなったんです。それでも、政府が“2025年までの努力目標”としている、『衆・参両院の選挙で、候補者全体に占める女性の割合は35%』には達しませんでした」
有働
「目標には近づいていますけれども…まだまだですね」
小栗
「そうなんですよね。じゃあなんで、女性が議員になりたがらないのかといいますと、内閣府が行った調査を見ますと、女性が立候補を断念する理由としては、『自分の力量に自信が持てない』、それから『当選した場合、家庭生活との両立が難しい』などが、男性より多く挙げられているんです」
「また、議員として活動する際の課題としては、『“政治は男性が行うもの”だという周囲の考え』、それから『性別による差別やセクハラを受けることがある』といった項目が、男性より多くなっていまして、こうしたことの解消というのがポイントになってきそうです」
有働
「辻さん、一つの解決方法としてクオータ制もありますけれども、そのあたりを含めてどう思われますか?」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(『news zero』パートナー)
「そうですね、量的変化と質的変化の両方が重要かなと思っています。例えば、自分以外のほとんどが外国人である環境と、日本人が半数いる環境を想像してみていただきたいんですけど、自分と同じ属性の人がほとんどいない環境で本来の能力を発揮することって、すごく難しいと思うんですね。なので、まず量を増やす、数を増やすというのはすごい大事かなと思います」
「あと、質的変化でいうと、先ほど『女性が立候補を断念してしまう理由』、という話がありましたが、家事育児の負担が女性に偏っていたりですとか、断念させてしまう背景には、社会の問題があるんじゃないかなと思います。なので、クオータ制で量を変えていくのと同時に、国会もそうですし、私たち社会の意識変革が、すごく大事なんじゃないかと思いました」
有働
「今回の報告書の中で、日本を含む東アジア・太平洋地域は、現在のペースだと、『ジェンダーギャップの解消に168年要するとみられる』と指摘されております。30年、男社会で、働いてきた身としては、生きている間になんとか…というか、もうちょっと早くと思います」
(7月13日放送『news zero』より)