専門家会議解説「制限解除」のポイントは?
緊急事態宣言が5月6日に期限を迎えるのを前に、5月1日に政府の専門家会議が開かれ、そこでとりまとめられた提言を参加した専門家が会見で説明しました。この記事では、その提言のポイントを整理してお伝えします。
■制限解除の判断基準は?
私たちが目指す「人との接触8割減」が達成できているかどうか。政府の専門家会議が分析した結果がきょう明らかになりました。
まず、8割減を評価する方法として、「人出」と1人が何人と接触しているかを数値化した「接触率」とをかけあわせた「接触頻度」で評価するとしています。
これがどれだけ減ったかを見ると、例えば渋谷では
・昼は約5割減
・夜は約6割減
となっていて、まだ8割には達していないことがわかります。
また、専門家会議ではどうなれば制限が解除できるのかを判断する基準として、以下の2つを示しました。
・新規の感染者数が一定の数まで下がること
・地域の医療提供体制が確保されていること
■新規感染者数は減少傾向
専門家会議の中では感染者の状況についてまとめています。
全国の日ごとの感染者数の推移を見ると、3月下旬ごろから感染者の急激な増加がみられ、4月11には719人の感染者が確認されました。
その後、新規の感染者が減少傾向に転じていることがわかります。専門家会議では急増のスピードに比べれば減少のスピードは緩やかにみえるとしています。
また、専門家会議では「実効再生産数」についても分析しています。実効再生産数とは、1人の感染者から何人に感染するかというのを表したものです。例えば2.0だと1人の人から2人に感染するということです。
全国では、3月25日の実効再生産数が「2.04」でした。その後、新規の感染者が減少傾向に転じたことにより、4月10日には「0.71」となり1を下回りました。1を下回ることで感染者は減少傾向に転じます。
こうしたことから専門家会議では、新規感染者数は「減少傾向にあることは確かである」としています。
■新型コロナ対応は「長丁場を覚悟」
専門家会議では再び感染が拡大しかねないため徹底した行動変容を続けなければならないとして、「自粛の継続」が望ましいという提言が出されたということです。
ほかにも重症患者については入院が長期化し、数が減少しにくい傾向があるため医療現場のひっ迫した状況は緩やかにしか解消されないとしています。
また、新規感染者数が一定水準に達するまで引き続き「徹底した行動制限」が求められるなどの提言をしました。
こうしたことから新型コロナウイルスへの対応については長丁場を覚悟しなければならないとしています。
また、こうした専門家会議の提言を受け、安倍首相は「現在の緊急事態宣言の枠組みを、おおむね1ヶ月程度延長することを軸に」対策をとるよう指示をしたことを明らかにしています。
※2020年5月1日放送 news every.『ナゼナニっ?』より