林真理子さんが日大の次期理事長に “不祥事”からの信頼回復へ
3日午後、作家の林真理子さんが日本大学の次期理事長に決まりました。一方で、日本大学は、大学の教育研究や運営などが適切か審査する、大学基準協会に「運営に大きな問題がある」と指摘されるなど、健全な大学運営を求められることになります。
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東京・千代田区にある日本大学は、3日午後から理事会を開催し、選考委員会が推薦した作家の林真理子さんを次期理事長にすることが決まりました。
新しい理事長が選出されたことについて、日本大学の学生に話を聞きました。
日大生
「問題が2~3年おきに出ているので、また何もなければいいなと思っています」
林さんは日本大学・芸術学部の出身です。来月1日の理事会を経て正式に就任し、度重なる不祥事に揺れる日本大学の再生に向けて、かじとりを担うことになります。
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林さんは、1986年に直木賞を受賞しました。
林さん(当時31)
「なんかうそみたいですね。とってもうれしいです」
2018年には紫綬褒章を受章、2019年、新たな元号「令和」が選定された時は、有識者会議のメンバーとして参加していました。
林さん(当時65)
「(令和の印象は)非常に美しいなという感じでした」
こうした中、林さんの母校の日本大学は、近年、不祥事が相次いでいました。2018年にはアメリカンフットボール部の“悪質タックル問題”が発生。その後、元理事が背任事件で逮捕・起訴されたほか、“日大のドン”と呼ばれた田中英壽前理事長が、脱税事件で今年3月に有罪判決を受け確定していました。
一連の事件を受け、2021年度の日本大学への国の補助金は、全額不交付になりました。日大には、2020年度、私立大学で2番目に多い約90億円が交付されていました。
日大をめぐる状況について、林さんは2日、複雑な胸の内を明かしていました。
林さん
「本当に心を痛めていましたので、『母校をなんとかしたい』という気持ちはずっとありましたので」
さらに、法令に基づき、大学の教育研究や運営などが適切か審査する大学基準協会は、3日、日本大学について、「運営に大きな問題がある」として「不適合」と判定しました。「新しいガバナンス体制を構築して、健全な大学運営を実現されたい」などと日本大学に求めています。
3日朝、末松文部科学相は「新理事長においては、あれだけの問題を起こした大学でありますので、日本大学のまず信頼回復に向けて、全力で取り組むことを大いに期待している」
日大は来月から「林新理事長」のもと、新しい体制の構築と信頼回復に取り組むことになります。