10万円給付金に“時間差”の意外な理由
1人10万円の定額給付金。なぜ、自治体によって手続きのスピードが違うのか。そこには意外な理由がありました。
◆10万円給付金、申請は?
6月3日、街の人たちに10万円給付金について聞いてみました。
──特別定額給付金の申請はされてますか?
世田谷区民「はい、先週には。(オンライン申請は)時間がかかると言われたのと、役所の方も大変って言ってたんで、紙でいいかなと思って」
その一方で、まだ申請できていない人も。
学生「実家は茨城なので、そっちの方に(申請書が)届くんですけど、まだ来てない」
申請書が届いていないといいます。
◆申請用紙を郵送…振り込みまでにも時間
練馬区に住む親子は……
母親「ちょっと楽しみになってきましたね。現実味がなかったんですけど、(家族3人分の)30万入るっていうのが」
ワクワクしながら向かったのは、郵便局。
母親「給付金が口座に振り込まれたかどうか、郵便局に記帳をしに行きます。大金ですからね」
給付金の申請用紙を郵送したのは2週間ほど前のことで、実は5日前の先月29日にも取材していましたが、振り込みはまだでした。これまでに2度、振り込みがあったか確認していたのです。
3度目で高まる期待。はたして……
──振り込まれてましたか?
母親「入ってませんでした、やっぱり」
振り込みはされていませんでした。
◆オンライン一時中止…郵送でも新たな問題
なぜ時間がかかっているのでしょうか?
連日、電話が鳴り止まない東京・調布市役所。“不備のあるオンライン申請”や、“手作業での確認作業”が多いことが職員の大きな負担に。先月20日からオンラインでの申請を一時停止し、郵送のみの申請に切り替えました。
しかし、そこでも新たな問題が。
給付金担当者「封筒を作成している事業者がそんなに多くないということで、そこに全国から(給付金が)注文が殺到して」
郵送するために不可欠な封筒がなかなか入手できなかったというのです。
さらに、6月2日に市役所に届いた20台のパソコン。こうした給付金の審査に必要な備品の搬入にも、想定外の遅れがでているといいます。
一方、既に届いた申請書は、2日までの2日間でおよそ1万5000通。3日からは20人ほど増員し、万全の体制で一日も早い給付を目指すといいます。
◆“宛先不明”のトラブルも
一方、熊本市ではこんなトラブルも……。
市内全ての世帯に送った特別定額給付金の申請書のうち、およそ1700通が“宛先不明”で戻ってきたといいます。
熊本市によりますと、申請書を送ったのは今年4月27日時点で、住民基本台帳登録されているおよそ34万6000人。戻ってきたのは4月27日より後に引っ越しをしたり、転居届けが出されていなかったりするケースとみられています。
市では現時点での住民基本台帳を基に確認作業を進めていて、2日までに1700通のうち1割ほどを再送しているということです。