熊本記録的大雨19人死亡、17人心肺停止
熊本県南部で川の氾濫や土石流が相次いだ記録的大雨は、これまで19人が亡くなり、17人が心肺停止、11人が行方不明となっています。
日本三大急流の一つ球磨川が氾濫し、熊本県南部の人吉市は、市街地が一面、泥に覆われました。人吉市は、ふだん、国宝青井阿蘇神社や温泉で賑わう観光地ですが、神社の橋の欄干は壊れ、宿泊施設の送迎バスは流されていました。
市内の旅館は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための2か月の休館から先月営業を再開したばかりでした。旅館の女将さんらで企画した宿泊料金の割引キャンペーンが好評で、これから客を呼び戻そうとした矢先の被災でした。
熊本県の発表によりますと、5日午後9時の時点で、亡くなった方は人吉市、芦北町などで19人です。
また、球磨村の特別養護老人ホーム『千寿園』などで17人が心肺停止、4つの市町村であわせて11人が行方不明となっています。
人吉市では、亡くなった方の通夜が営まれました。
亡くなった湯本秀子さんの知人「優しい人だった。2度とこんなことはあってほしくない」
また、14の市町村で5日午後1時半の時点で、およそ1500人が避難所に身を寄せています。新型コロナウイルス感染防止のため、入り口に体温の測定器や消毒液が置かれるなど、新型コロナウイルスへの対策もとられていました。
また、長期化も懸念される避難生活への不安が聞かれました。
避難した人「みんな着の身着のまま、持ち物も忘れているのがいっぱいあるしね。医薬品とかも忘れてきているから。(家に帰って)惨状を見るのが怖いです」
熊本県では、7日にかけて再び大雨の恐れがあり、被災地でも厳重な警戒が続いています。