法律を身近に…弁護士の思い “裁判官”が下した判決は?
裁判官や検察官といった、法律に携わる職業を目指す司法試験。実は、去年までの出願数は年々減少傾向で、危機感を持ったある弁護士が企画した取り組みがあります。
先週、とある場所に集まっていたのは…。
「ご起立ください」
模擬裁判を体験する中学生と高校生です。
現役の裁判官に交じって、裁判官役と裁判員役になり、被告人質問や証人尋問に挑戦します。
今回の模擬裁判は、被告が会社の同僚を包丁で刺し、殺人未遂の罪に問われている事件という設定です。
被告は、殺意がなかったと主張。
裁判員役の生徒「腕を切りつけようとして、包丁を横に振ったと書いてあるんですけど、見えなかったということですか?」
判決を決める話し合いでも、殺意があったかどうかは議論に。
「16cmの包丁を持ち出す時点で、殺害の意志が強かったと思います」「たまたま構えていた包丁が、腹部に刺さった可能性も十分に、あり得ると思います」
生徒の間でも意見は様々。
企画を主催した団体の弁護士は、去年までの司法試験の出願数は年々減少していて、若者に法律のリアルを感じてほしいといいます。
司法教育支援協会代表理事・熊田彰英弁護士「とにかく、一度の機会で、いろんな実務家だったりとか、法曹というのを見てもらう、知ってもらう、そして直接話をしてもらう。そこが一番重要かなと思っています」
生徒たちが下した判決は…。
「主文、被告人を懲役3年に処する」
判決は3つのグループで議論しましたが、罪名も量刑も分かれる結果となりました。
「被告人の人生が大きく変わってしまうので、こういう司法という重要さを勉強できた」「裁判って見るだけではなくて、実際に自分も、いつかやってみたいという気持ちが芽生えました」
法律の世界との距離は、一歩縮まったようです。