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【解説】高齢者によるネット利用急増「生きがい」は使わない人の3倍以上の調査も 一方、”依存”本人気づかないケースも

2022年6月16日 20:23
【解説】高齢者によるネット利用急増「生きがい」は使わない人の3倍以上の調査も 一方、”依存”本人気づかないケースも

子供だけでなく高齢者によるネットの利用が急増していることが、内閣府の調査で明らかになりました。利点も多い一方で、様々な課題も見えてきました。

「ネット利用する高齢者は“生きがい”が3倍」

「“1日3時間”以上利用する小学生が5割以上」

「便利・楽しい一方で心配な面も」

以上の3つのポイントについて詳しく解説します。

■高齢者“8割以上”情報機器利用 使い道は…

内閣府が公表した令和4年版高齢社会白書によると、65歳以上の男女でパソコンやスマホ等の情報機器について「使わない」と答えた人は17%でした。つまり8割以上の高齢者は、パソコンやスマホなど何らかの情報機器を使っているということになります。

では何に使うのか、以下のような結果となりました。

「インターネットで情報収集・ショッピング」  23.7%
「ツイッターやLINEなどのSNS利用」      13.1%
「パソコンのメールで家族や友人と連絡」    12.2%

■高齢者 ネット利用で“生きがい感じる”3倍以上に

そして、白書では、ネットを使っているかどうかが、高齢者の日々の“生きがい”にも影響していることが明らかになりました。

「情報機器を使わない」と答えた高齢者で生きがいを「十分感じている」と回答した人が10.3%だったのに対し、「インターネットやSNSなどを利用している」という高齢者では30%を超え、使わない人の3倍以上となりました。

コミュニケーションツールとして、家族や友人らと近況を伝え合ったり、写真や動画をシェアしたりすることで、生きがいにつながっている可能性がありそうです。

高齢者がネットをどのように使っているのか、街の人にも聞いてみました。

70代
「わからないことは何でもスマホ使って、調べ物とか趣味のことの連絡ですね」

70代
「手軽さ・便利さという点が、いろんな知識を広めてくれるし、LINEでつながる友達もすごく増えて、(スマホは)常に手放せない」

■小学生 ネット利用率「96%」 “3時間以上”は「51.9%」

一方、子供のネット利用にも変化が見られます。

最新の令和4年版子供・若者白書によると、満10歳から満17歳までの青少年のインターネット利用率は、2016年から2021年の5年間で20ポイント近くアップし、21年度は97.7%になりました。ほぼ、全ての青少年がインターネットを使っていると言っても過言ではありません。生まれた時からインターネットが当たり前に普及している世代ですので、当然かもしれません。

さらに細かく見ると、高校生で99.2%、中学生で98.2%、小学生でも96%が「インターネットを利用している」と答えています。

小学生による平日1日あたりのインターネット利用時間について、「3時間以上」と答えた小学生が51.9%と過去最多になりました。また、青少年全体の平均利用時間も前年度から約1時間増え、4時間24分となりました。

■「ゲーム」・「動画」 子供たちのネット利用は…

これだけの時間をかけて、子供たちはネットで何をしているのでしょうか。

中高生で1番多かったのは「動画を見る」で、高校生では95.8%、中学生では91.3%となりました。10歳以上の小学生で最多となったのは「ゲームをする」で84.5%となりました。あとは、「音楽を聴く」、「検索する」などの回答が多かったです。どの世代でも、これらの回答が「勉強をする」を大幅に上回りました。

では、子供に何歳ごろからスマホを使わせているのか、街の人に聞きました。

中3・中1・小3の母
「長男が小学校5年で(スマホを)持たせたんですね。習い事も遠くまで行っていますし、必要ですね、上2人は」

小6・小3の母
「3年生の女の子の方が執着して、無料の漫画を調べて読んじゃってます。(スマホは)まだ、小学生には早いかなと思って」

■子供に「スマホ内斜視」増加…医師 手術が必要になる場合も

一方で、子供のネット利用が増加していることによる課題も指摘されています。

ネットが目に及ぼす影響に詳しいCS眼科の宇井牧子院長によると、ネット利用が増えていることで、「スマホ内斜視」になる子供が増えているということです。

スマホ内斜視とは、スマホを近くで見過ぎることで、黒目が内側に寄ってしまう現象で、遠くを見るとモノがだぶって見えるという症状があるといいます。

こうした症状が出た場合には、まずはスマホを使う時間を減らしてみるということが必要だといいます。それでも改善しない場合は、手術が必要になることもあるそうです。

■“ネット依存”高齢者 本人が気づかないケースも

またネット依存を専門とするクリニックの墨岡孝院長は、コロナによる外出自粛の影響もあって、ネット依存の相談が増えているといいます。

特に高齢者は、ネットショッピングや出会い系など、金が絡むトラブルが増えているといいますが、本人は依存に気づかず家族が治療に連れてくるケースが多いといいます。

    ◇

生活のほぼあらゆる場面でネットが欠かせなくなっているこの時代、子供も高齢者もネットとの距離感をうまくはかりながら、その利便性や楽しさを満喫できることが理想的です。

(2022年6月16日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)
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