朝日新聞、編集委員を懲戒処分 公表前の“安倍元総理”誌面見せるようダイヤモンド編集部に要求か 本人は「恣意的な調査に基づく」と見解
朝日新聞社は、編集委員の記者が、安倍元総理大臣のインタビュー記事の掲載を予定していた出版社の編集部に対し公表前の誌面を見せるよう要求したとして、懲戒処分とすることを決めました。
朝日新聞社によりますと、停職1か月の懲戒処分が決定したのは編集委員の峯村健司記者で、先月9日、週刊ダイヤモンドが安倍元総理にインタビューを行った翌日、ダイヤモンド編集部の副編集長に電話をかけ、公表前の誌面を見せるよう要求したということです。
その際、峯村記者は「安倍元総理がインタビューの中身を心配されている。私が全ての顧問を引き受けている」「ゴーサインは私が決める」などと話したということです。
朝日新聞社は先月16日、ダイヤモンド編集部から抗議を受け、社内調査を実施。記者の中立性などに疑問をもたれる行動だったとして謝罪したということです。
朝日新聞社は「政治家と一体化してメディアに圧力をかけたと受け止められても仕方がなく、 極めて不適切」「読者からの信頼を揺るがす大変重い問題」とコメントしています。
また、ダイヤモンド編集部は「編集権の侵害行為があったのは事実」とした上で、「中立性を欠いた介入があったことは残念でなりません」とコメントしています。
一方、峯村記者は自身のツイッターなどで「不当な措置で、恣意的な調査に基づく公平性に欠いたもの」「重大な誤報記事が掲載されそうな事態を偶然知り、それを未然に防ぐべく尽力した」と見解を述べています。
安倍元総理の事務所は「朝日新聞社と峯村氏との間のことであり、事務所としてコメントは差し控えさせていただきます」としています。