宇宙飛行士に聞く 宇宙と地上の生活の違い
知っておきたいデータや情報をひもとく「input」。今回は「THINK SPACE LIFE」のイベントにて、宇宙飛行士の向井千秋さんと山崎直子さんにインタビュー。「宇宙での生活」をテーマに話を聞いた。
宇宙飛行士・向井千秋さんインタビュー
――宇宙で暮らすために何が必要なのでしょうか。
向井さん「なるべく地球から持ち出すものを少なくして、宇宙でつくろう。月面で水耕栽培をやって、地産地消じゃないけど月産月消、月で作ったものでみんなが月で生活する。
宇宙ステーションだとおしっこなんかも全部リサイクルして飲んでいるわけ、水として。便なんかは捨てちゃっているんだけど、例えば便とかそういうものなんかもリサイクルして火星に行くための燃料に使うとか。
ゴミっていうのはゴミっていうからゴミなんで、あれをリサイクルするとか有効利用していけばゴミじゃなくなる。プラスチックごみだって。
閉鎖空間だけど有効に循環させるような、今の人類共通の敵のコロナだとか感染症なんかを、たとえばフィルターとか光触媒の技術を使ってウイルスを弱くしたりとか、ほこりをとったり、病原菌をとったり、放射線を防御したり、そういったことをやるんで、それは地球上でそういうことで困っている人たちに十分使える」
宇宙飛行士・山崎直子さんインタビュー
――宇宙で暮らすために何が必要なのでしょうか。
山崎さん「ものすごく宇宙は特別な場所だとずっと思っていたんですが、いざ行ってみると、ご飯を食べて、日中は活動して、夜は寝袋で寝る。それが日常になってくるので、まずは日常の延長だという、あまり特別だと逆に思わないでほしいなと思います。
いわゆる宇宙企業さんだけではなく、その周辺の宇宙とはいままで関わりがなかった企業さん。たとえば自動車、建設業界さん、それから衣食住も含めて、ネットワーク作りが進んできています。宇宙と地上との境を極力少なくして、宇宙の技術を地上に生かす、地上の技術を宇宙に生かす、その流れをつくっていく。
食べ物ひとつとっても、宇宙での食事を考えると保存がきく、栄養価が高い。それは地上での食事、防災などの防災食や病院食だとかいろいろなところに役立っていく。その連携をとることが大切。
だから地上と宇宙とがだんだんボーダレスというか、連続していく時代に入ってくる」
【the SOCIAL inputより】