暑さ対策と感染予防「両立」奮闘する中学校
国内での観測史上最高気温41.1℃を2018年に観測した埼玉県熊谷市。新型コロナの影響で短縮された夏休みを終え、2学期が始まった熊谷市の中学校では、熱中症対策と感染予防の「両立」に取り組んでいた。生徒たちと教員の奮闘を追った。
■「マスクに慣れちゃった」
「ディスタンス」「俺らディスタンスしてるよ」――。
教室でマスクをして、互いに距離をとる生徒たち。8月下旬、埼玉県熊谷市にある市立荒川中学校を訪れた。
同校は新型コロナ対策として、フェイスシールドやマウスシールドを導入。お互いに口元を確認する英語の発音練習や歌を歌う音楽の練習での飛沫防止策だ。
体育の授業、生徒たちの手にはなぜか赤い手袋。同じボールやバトンを使うため、手袋をつけて感染症予防をしているのだ。
「暑い!」と声が漏れる。にもかかわらず、マスクをつけたまま運動する生徒が目立つ。
「(マスクを)するのに慣れちゃった感じです」
学校では生徒の自己判断に任せているという。
■「よしず」で日よけと換気
“日本一暑い街”として知られる熊谷。教室では冷房をつけているが、換気のため窓や扉は開けたまま。冷房効果は落ちる。
しかも午後になると西日で、さらに室温が上がる。そこで毎年、日よけとしてゴーヤを育てていたという。だが今年は夏休み中、生徒が水やりできず、ほとんど枯れてしまった状態に。やむなく撤去することになった。
放課後、1台の軽トラックから宇野聡規校長が降りてきた。荷台に積んであるのは「よしず」。ゴーヤの代わりに使うという。
カーテンでは十分な換気が出来ないが、風を通すよしずなら日よけと換気が可能だという。
宇野校長はこう話す。
「今までと違うことをしていかないと。いろんな対応ができない状況にあるので柔軟に考えながらやっていく」