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熱中症と感染対策 マスクは?エアコンは?

2020年8月4日 21:13
熱中症と感染対策 マスクは?エアコンは?

4日、都心ではことし一番の暑さを記録しましたが、東京・品川駅の通勤客はみなマスク姿。
ことしはコロナの感染症対策と熱中症対策で「誰も経験したことがない夏」になりますが、どのように過ごせばよいのでしょうか。

■東京の新規感染者309人 増加する重症者

梅雨あけの厳しい暑さで多くの地域で今年一番の暑さとなった8月4日は、東京では新たに309人の感染が確認されました。3日ぶりの300人超えです。3日は258人で、感染経路不明は半数以上の137人でした。

4日の東京都内の新規感染者309人を年代別で見てみると、20代が130人、30代が63人、合わせて193人と全体の約62%になっています。40~50代は全体の約21%となっていて、傾向は変わっていません。

そして4日は重症者が22人と発表されています。3日の15人より7人増えていて、これについては小池知事も「重症者が増えているのは気になる」と述べています。

■感染経路 カフェでの感染も

3日の東京都の新規感染者の感染経路を見ると、一番多いのは家庭内で27人。次いで、職場内25人、会食18人、夜の街17人、施設内16人となっています。

会食は飲み会だけではなく、友人とカフェに行って感染した事例もありました。お酒を飲むと大きな声でしゃべるため飲み会での感染は多かったのですが、カフェでも感染が見つかった形です。また、この中で7月下旬の4連休に感染したケースが結構あります。

4連休は、約2週間前。この4連休に飲み会をして感染した人が6人。50代男性が10人でゴルフに行き、同じ部屋に泊まり感染したという事例もありました。スポーツサークルの集まりもあり、ここからは3日までに6人の感染者が出てクラスターになっています。4連休の影響が出始めているかもしれません。

3日にはこのようなクラスターもありました。世田谷区にある日本体育大学の運動部の寮で、男子大学生6人の感染が判明しました。これまでに感染確認された人と合わせて、この寮で10人の感染者が出ています。運動部の寮といえば共同生活で、家族と同じような生活をしますのでリスクがあるのかもしれません。

寮でなくても、これからは夏合宿のシーズンでもありますので、コロナの流行で学生スポーツのあり方も悩ましいところではあります。

■去年より多い熱中症搬送者 マスクが原因?

そんな中、ここ数日、暑さが厳しくなってきました。4日、福岡では今年初の35度を超える猛暑日になりました。岩手県釜石や富山でも今年初の猛暑日となっています。そして、東京も午前10時には30℃となり、4日連続の真夏日になりました。午後3時の時点で33.1℃まで上昇し、今年一番の暑さとなりました。

今後の見通しですが、気象庁は3か月予報で、この厳しい暑さは10月まで続くと予想しています。梅雨明けと同時に急に気温が上がっている状況ですので、「体が暑さに慣れていないため、熱中症の危険が高まる」と危機感を示しています。

この熱中症について、気になるデータがあります。総務省消防庁のまとめによると、今年は去年よりも熱中症で救急搬送される人の数が多くなっています。6月から7月下旬まで全国で見ると今年は1万2294人で、去年より590人増えています。この総数のうち、東京だけでも759人が搬送されているのですが、この数は去年より201人増えているのです。

理由について、現場の印象を聞いてみました。
ふじみの救急クリニック鹿野院長は、「今年の夏は原則みなさんマスクをしている。熱がこもりやすいことで、例年より熱中症が増えているのかと感じている」と話しています。

コロナと熱中症は見分けが困難なケースがあり、PCR検査の結果が出るまで入院する人もいて、ベッドがひっ迫するのを恐れているといいます。医療スタッフのみなさんも熱中症にも気をつけていて、保冷剤を入れられるベストなどで対策をしてから防護服を着ている状況だそうです。

■感染対策と熱中症対策

こうした中、私たちができる熱中症対策とは何でしょうか。環境省や厚労省が大事なポイントを呼びかけています。環境省のホームページでは「マスクをはずしましょう」と大きく書かれています。

マスクの中は湿度100%。高温多湿で、気づかないうちに脱水になる危険性があります。屋外で人と2m以上十分な距離がある場合は、適宜マスクをはずしてくださいということです。しかし肝心なのは、マスクを外したときに近づいておしゃべりをしないように気をつけてください。

さらに、新しい日常生活での注意点も書かれています。「のどが渇いていなくてもこまめに水分補給をしましょう」ということで、1日あたり1.2リットル、1時間ごとにコップ1杯を目安に、入浴や朝起きたときの水分補給も大事です。大量に汗をかいたときは、塩分も忘れずにとってください。

また、感染対策として「エアコン使用中もこまめに換気をしましょう」。一般的な家庭用エアコンは、室内の空気を循環させるだけで換気は行っていません。窓とドアなど2か所を開け、扇風機や換気扇を併用すると良いです。

換気によってどうしても室内の温度が高くなりがちのため、換気後はエアコンの温度設定を下げるなどの工夫をしてほしいということです。

熱中症は、個人や周囲が気をつければ100%防ぐことができます。今年の夏は特に、コロナ対応で疲弊している医療に負荷をかけないためにも、熱中症対策を心がけなければいけません。

(2020年8月4日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)