「かくれ熱中症」注意 見分ける4ポイント
体温を超える危険な暑さが続く中、自覚がないまま実は熱中症になっている「かくれ熱中症」に注意が必要です。どのように見分ければいいのか、解説します。
■東京都内 約2週間で131人が熱中症で死亡 いずれも50代以上
20日、東京都で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は339人でした。重症者は19日から4人増え、36人です。
そして、東京都内の感染状況を分析するモニタリング会議が20日、開かれました。新規の感染者数は依然、高い水準を維持しているなどとして、引き続き「最も深刻な警戒レベル」を維持しました。
小池都知事は熱中症について次のように呼びかけました。
「熱中症にかからないように、まずご注意いただきたい。そのことは結局、救急車、医療施設への負担の軽減にもかかってくるので、そういう意味でも熱中症にはぜひ、ご注意をいただきたいと存じます」
熱中症が警戒される中、20日も日本列島各地で体温を超える危険な暑さが続いています。
東京では最高気温34.8℃、滋賀県東近江市で39.2℃、大分県日田市では38.5℃と、猛烈な暑さとなりました。 東京消防庁の管内では、午後3時までに12~95歳の男女81人が、熱中症の疑いで救急搬送されました。
東京23区内で熱中症で亡くなった人の数は、8月2日~19日までの約2週間あまりで131人にものぼっています。そのうち屋内で亡くなったのは124人。亡くなったのはいずれも50代以上でした。
■「かくれ熱中症」見抜く4つのポイント
暑さが続く中、知らないうちに「かくれ熱中症」になっているケースがあります。
熱中症に詳しい横浜相原病院の吉田医師によると、「かくれ熱中症」とは無自覚のうちに熱中症になっている状態のことです。特に、体力に自信のある人は、単なる夏バテや睡眠不足だから大丈夫と思い込んでいて、実はかくれ熱中症になっていることも多いそうです。気づかないまま放置すると症状が悪化する危険性もあります。
誰にでもできる簡単な見分け方をご紹介します。
(1)手のひらが冷たい
手のひらで自分の頬や顎に触れて熱く感じれば、手のひらが冷たいというのが分かります。体内の水分が少なくなると血のめぐりが悪くなります。特に心臓から遠い手や足の先まで血液が行き渡らなくなり、冷たくなります。
(2)舌が乾いている
脱水状態になると唾液が減少します。舌を出して鏡で見た時、白っぽく乾いていないかを見てください。
(3)皮膚をつまんでみる
手の甲の皮膚をつまんで放し、3秒以上戻らなかったら脱水症状の疑いがあります。これは「ハンカチーフサイン」とも呼ばれており、ハンカチをつまんだ時に形が残るように皮膚もなかなか戻らない場合は、皮膚の細胞の水分が失われて弾力がなくなっている可能性があります。
(4)爪を押してみる
爪がピンク色なのは血の流れが見えているからです。爪を押すと血の流れが止まり白く見えますが、放してすぐに赤みが戻るかどうか。戻らない場合は血管が収縮している、つまり、脱水の可能性があります。
■トイレに3時間以上いかない場合は注意を
他にも注意すべき点があります。
まずは、トイレの回数。排尿が十分にあるかは大切です。通常は2~3時間に1回ぐらい排尿しますが、それより長くトイレに行かない場合は脱水症状、「かくれ熱中症」になっている可能性があります。
同様に、急に汗をかかなくなる場合も危険です。汗も出なくなるほどの明らかな水分不足のため、「かくれ」というよりかなり進んだ状態の可能性があります。
そのほか、めまいや立ちくらみもサインです。急にふらついたり、周りが暗く感じたりするのが立ちくらみですが、血流が悪くなると頭に血が行きにくくなるため、こうした場合もかくれ熱中症のサインです。
■「かくれ熱中症」避けるためには
では、予防するにはどうしたらいいのでしょうか。
まずは、水分補給が大切。塩分や電解質を含む飲み物が理想です。
さらに、トイレの回数。自分ではなかなか気づきにくく、特に子どもやお年寄りは周りの人がトイレの回数を確認してあげると良いです。
また、「湿度」も大事です。湿度が高いと汗をかきにくく、体内に熱がこもります。こうしたあたりも注意すると良いです。
「かくれ熱中症」を防ぐには、とにかく自分の体力を過信しないことが大切です。誰もがなりうる可能性があるものだと認識して、体が出すちょっとしたサインを見逃さないよう、自己管理しましょう。
(2020年8月20日 16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)