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「100%予防できる」熱中症 症状と対策

2020年8月13日 21:36
「100%予防できる」熱中症 症状と対策

13日も東京は36℃を超え、4日連続の猛暑日となりました。熱中症対策と新型コロナ対策を両立させるための情報をお伝えします。

■専門家「第一波の時と比べると重症者がかなり少ない」その理由は?

13日、東京都で新たに確認された感染者は206人と、2日連続で200人台になりました。12日は222人でしたが、そのうち7割近くの149人が感染経路不明でした。

13日の新規感染者の内訳を年代別でみると、20~30代が約52%、40~50代が約26%となっています。若者が中心ではあるものの、年齢層の幅が広がっていることが分かります。

13日、東京都内の感染状況を分析するモニタリング会議が開かれました。

感染経路不明者は12日までの7日間平均で200.9人。前の週よりも若干減っていますが、依然高い水準です。PCR検査の陽性率は先週からほぼ横ばいでした。

入院患者数は12日の時点で1659人と、1週間前よりも180人以上増えています。特に軽症、中等症の病床がかなりひっ迫していて、軽減をはかる対策が必要だという意見が出ました。重症患者数は21人で先週と同じでした。

感染状況、医療提供体制ともに警戒レベルは変わっていませんが、専門家からは「第一波の時と比べると重症者がかなり少ない」という意見がありました。

これは、重症化リスクが高い高齢者への感染が少ないことを意味しています。その理由は、どういう場所の感染リスクが高いかなどの情報が行き渡っていて、個人レベルでリスクを回避する行動ができているから、ということです。

また、「高齢者施設や医療機関などでの大きなクラスターが起きなくなっている」という意見も。その理由は、第一波の時よりも、施設での感染対策が徹底されているからです。


■「熱中症で搬送」65歳以上が半数以上

一方で、熱中症にも注意が必要です。8月に入ってから、熱中症の疑いでの救急搬送が急激に増えています。東京消防庁の管内で13日に救急搬送された人は、午後3時時点で9~98歳の男女84人でした。

全国的にみてみます。総務省消防庁によりますと、8月3~9日の1週間に熱中症で搬送されたのは6664人。例えば関東は8月1日に梅雨が明け、それからずっと30℃を超える暑さとなっています。そうしたこともあり、この数字は前の週の約2倍になっています。

年齢別にみると、65歳以上が57.6%と半数以上を占めています。高齢になると暑さやのどの乾きを感じにくいこともあり、熱中症になりやすいため、注意が必要です。

ことしは特にコロナで外出を控える人も多く、運動する機会も少ないため、体が暑さに慣れていません。

救急医学が専門の日本体育大学大学院の横田教授によりますと、そのような状態で急に外に出て急に暑い環境で過ごすと、熱中症になるリスクが高まると言います。さらに、マスクをしている状態も熱中症を引き起こしやすいです。

■熱中症を疑うべき症状と必要な対応は?

では、どのような症状が出たら熱中症を疑うべきなのでしょうか。重症度別にみます。

(1)軽症

めまい、筋肉痛、手足のしびれなどがあった場合は軽症ですが、その場で熱中症への応急処置が必要です。すぐに涼しい場所で体を冷やし、水分をとってください。

(2)中等症

嘔吐、頭痛、けん怠感など、体がぐったりする、力が入らない、など、いつもと様子が違う場合は中等症に分類され、医療機関への搬送が必要です。

(3)重症

意識障害、けいれん、まっすぐ歩けないなど手足の運動障害、体に触ると熱いという感触があるくらいの高体温。こうした症状がみられる場合は、入院が必要な重症です。

コロナと共通する症状としては、けん怠感、意識障害、高温などがあります。横田教授によると、熱中症の場合、ある程度重症化しないと体温は上がらないということです。

そのため、例えば若い人で元気だけど発熱がある、というような場合は、熱中症ではなくコロナなどの感染症を疑うべきということです。ペットボトルのふたがあけられないなど「力が入らない」場合は、コロナではなく熱中症を疑った方が良いそうです。

横田教授は、熱中症とコロナは大きな違いがあると指摘します。「コロナと違い熱中症は100%予防できる」という点です。


■熱中症を予防する3つの対策

ではどのようにして100%予防するのでしょうか。ことしはコロナ対策と両立ということで、マスクをしていてもできる熱中症予防を改めてお伝えします。

(1)放熱しやすい服を着る

汗が乾きやすい、汗が出やすい服、首回りがあいた服を着る。

(2)こまめに水分と塩分を補給

喉の渇きに気づかない場合もあるため、1時間に1回など時間を決めて、定期的に水分補給が望ましいです。お茶やコーヒーは利尿作用で摂取した以上に尿で出てしまいますので、カフェインの少ない飲み物水や麦茶などが理想です。

(3)体を冷やす

表面に太い血管が通っている場所に冷たいペットボトルを当てる。

・首の周り
・脇の下
・太ももの付け根

などです。また、手洗いも効果的です。流水で数分間手を洗い、ひじの辺りまで洗うと、体が冷えるため効果的です。コロナ対策にもなり一石二鳥です。

熱中症は、重症化すれば死亡するリスクもある、決して軽く見てはいけない体の不調です。正しい知識をもってしっかりと備えれば、感染症と違って100%予防できるわけですから、意識的に気をつけてこの猛暑を乗り切りたいですね。

(2020年8月13日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)