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「コロナ禍の熱中症」 予防のポイントは?

2021年8月4日 18:31
「コロナ禍の熱中症」 予防のポイントは?

新型コロナウイルスの感染拡大とともに、危険な暑さが続いています。そのような中、いつどこでなるかわからないコロナと熱中症。どう注意すればいいかお伝えします。

■「日常生活の場」でコロナ感染

まずは最新の感染状況です。東京では3日、新たに3709人の感染が確認されました。火曜日としては3週連続で過去最多を更新しました。

次に感染経路です。大学、高校、保育園など施設内での感染が59人。会食は66人。職場内での感染は、これまでで最も多い258人でした。そして、経路として一番多かったのは家庭内で768人でした。

東京都の担当者は「家庭や職場といった『日常生活の場』での感染が多い」と説明しています。

■熱中症で救急搬送 2万6825人

一方、熱中症への警戒も必要です。4日の東京都心は最高気温34.5℃と危険な暑さとなりました。全国的にも気温が上昇し、午後3時半の時点で、全国184の観測地点で猛暑日となっています。

そして、広い範囲に熱中症警戒アラートが出されています。今年に入って最も多い39の都府県に発表されています。日が落ちてからも熱中症の危険はあります。寝る前にコップ1杯の水を飲むなど、夜間の熱中症にも警戒が必要です。

続いて、熱中症によって救急搬送された人の数です。総務省消防庁によりますと、今年6月から今月1日までで、2万6825人でした。ひと月で換算すると1万人を超えています。救急の現場は熱中症の搬送で大変だということを、ぜひ覚えておいてください。

健康な時は、なかなか気付きませんが、いざ救急車で運ばれる状況になった時に、搬送先の病院で受け入れができないといったことが、いま現実に起きているということを忘れてはいけません。

■めまい、頭痛…熱中症の症状は?

どんな症状が出たら熱中症を疑うべきでしょうか。

重症度別にみると――

【軽症】

めまい、立ちくらみ、筋肉痛、足のしびれなどがあった場合。その場で熱中症への応急処置が必要です。すぐに涼しい場所で体を冷やし、水分をとってください。

【中等症】

頭痛、嘔吐(おうと)、倦怠(けんたい)感など体がぐったりしたり、力が入らなかったり、いつもと様子が違う場合。医療機関の受診が必要です。

【重症】

意識障害や、けいれん、まっすぐ歩けないなど手足の運動障害、体に触ると熱いという感触があるくらいの高体温などの症状がみられる場合。入院が必要です。

■救急車を呼ぶか判断に迷ったら

自分や、周りにいる人が熱中症になったら、救急車を呼ぶかどうかの判断はどのようにしたらよいのでしょうか。

環境省のホームページに便利なチェック項目があります。

チェック1「熱中症を疑う症状がありますか?」

「はい」に進んだら…

チェック2「呼びかけに応えますか?」

「いいえ」の場合は「救急車を呼ぶ」

「はい」の場合は「涼しい場所へ避難し、服をゆるめ体を冷やす」など応急処置をするよう呼びかけています。

そしてチェック3「水分を自力で摂取できますか?」

「いいえ」だと「医療機関の受診を」

「はい」に進むと「水分・塩分を補給する」

そして、チェック4「症状がよくなりましたか?」

応急処置をしても症状が改善しない場合は、医療機関を受診するよう呼びかけています。

ただ、コロナと症状が似ているだけに、判断を迷ってしまう不安もあります。医療関係者でも、コロナかどうか見分けるのは難しいので、一般の方で安易な判断は禁物だそうです。ですから、熱中症の症状を知っておくことが重要になります。

■「コロナ禍の熱中症」予防のポイント

コロナ禍での熱中症予防にはポイントがあります。

日本医科大学付属病院 高度救命救急センター・横堀將司部長に聞きました。

まず、「この暑さの中で可能であれば『外出をしない』。しっかり涼しいところで体を休めるのが1番です」と話していました。一方で、外出しなければならない人もいます。そういう人は「マスクと熱中症予防の両立は難しい」これを頭に入れておくべきだということです。

屋外でマスクをしなければいけない場合は、

「疲労感を感じたら日陰で休む」

「こまめに水分をとる」

「人が周りにいなかったらマスクをはずしてもいい」

ただ、今は非常に感染力が強いデルタ株が猛威をふるっているので、人と距離があいていたとしても、マスクなしで、対面で会話をするのは控えるべきということです。

この夏の時期は、コロナと熱中症、両方の対策をしなくてはいけないので大変ですが、一つ一つ徹底していけば多くのリスクを下げられるので、冷静に対処していくことが必要です。

横堀さんは「熱中症はコロナと違って100%予防できる」と話していました。自分の命を守ると同時に、これ以上医療現場の負担を増やさないために、熱中症予防が大事です。

(2021年8月4日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)

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