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東京五輪が目指す「持続可能性」とは?

2020年10月5日 20:55
東京五輪が目指す「持続可能性」とは?

来年に延期された東京オリンピック・パラリンピック。前例のない延期決定に今後はギモンだらけ。大会運営を取り仕切る大会組織委員会のキーパーソンに話を聞くシリーズ企画。東京大会が目指す「持続可能性」。大会組織委員会の持続可能性部長、荒田有紀さんに聞いた。

■オリンピックと持続可能性

オリンピック・パラリンピックは世界最大規模のスポーツイベント。そのため、持続可能性に配慮した大会の準備・運営が求められる。東京大会ではどんな取り組みが行われるのか。

「持続可能性とスポーツは切っても切り離せないことなんです。気候変動でいえば海面が上昇して海が海岸を浸食するですとか、あるいは冬のスポーツでいえば雪が降らなくなることでスポーツができなくなる可能性というのがあります」

■福島県に最大級の水素製造拠点

持続可能性のテーマのひとつが「気候変動」。二酸化炭素の排出量を少なくするため、注目されるのが“水素エネルギー”。福島県には世界最大級の製造拠点が作られた。

「日本はエネルギーを他国に依存する国です。より多くのエネルギーを活用することを考えていく必要がある。水素は使用するときに水しか排出しないということがあります。また製造段階で再生可能エネルギーを活用すれば、ライフサイクルでCO2を全く排出しないというエネルギーになりますので、持続可能性の面でも大きくすぐれたものとなります」

水素は、聖火リレーのトーチをはじめ、大会関係者を輸送する燃料電池車に使われ選手村の休憩施設にも供給される。

■再生素材を使った史上初の試み

東京大会は「資源管理」にも力を注いでおりそのひとつが、メダルプロジェクトだ。選手が手にするメダルは携帯電話やパソコンなどの小型家電の金属を全国から集めたリサイクル。金・銀・銅あわせて5000個をつくるという。

また、表彰台にも再生素材が使われ24.5トンの洗剤のボトルなどを集めて制作する。これは、大会史上初めての試みだ。

「聖火リレーのトーチは東日本大震災の仮設住宅を壊したときに出る廃材のアルミニウムを使ってトーチをつくっておりますので、これもオリンピックのシンボルとなるものがリサイクルで作られています」

■東京独自の取り組みで課題解決目指す

「Be better,together/より良い未来へ、ともに進もう。」をコンセプトとし、持続可能な社会の実現に向け、課題解決のモデルを国内外に示していくという東京大会。持続可能性の取り組みは多岐にわたり気候変動や資源管理だけではなく差別やハラスメントのない大会を目指す。

「持続可能性の取り組みというと環境のことを思いがちですが、人権の取り組みもしておりまして、様々な背景をもつ方が一緒に競技を楽しむことができるような取り組みをしています」

「東京大会独自の取り組みというものを仕掛けておりますので多くの方々が参加していただける、気づいていただける、いいきっかけになるかなと思います」

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【シリーズ「東京五輪・パラのギモン」】
来年に延期された東京オリンピック・パラリンピック。前例のない延期決定に今後はギモンだらけ。大会運営を取り仕切る大会組織委員会のキーパーソンたちに話を聞く。