「会社を代表して謝罪します」ビッグモーター社長が店舗視察で… 実態解明へ 金融庁が立ち入り検査
ビッグモーターによる“保険金不正請求”をめぐる問題で、金融庁は19日、ビッグモーターの店舗と損保ジャパン本社の立ち入り検査を行いました。今後、数か月かけて2社の聞き取りなどを行う方針です。一方、日本テレビは、ビッグモーターの和泉伸二社長が店舗を視察した時に撮影されたという動画を入手しました。
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ビッグモーターと損保ジャパンに厳しい視線が向けられています。19日午前10時前、金融庁の検査官が損保ジャパン本社(東京・新宿区)へと入っていきました。その約1時間前には、ビッグモーター多摩店に立ち入り検査に入りました。
ビッグモーターによる“保険金不正請求”問題を全容解明するため、金融庁が19日、立ち入り検査に乗り出したのです。騒動の発端となったのは、中古車販売大手ビッグモーターの不正発覚です。信頼を失い、会社は厳しい状況におかれています。
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「みなさんお疲れ様です」と労いの言葉をかけるビッグモーターの和泉伸二社長。日本テレビは、15日に関東の店舗を視察した時に撮影されたという動画を入手しました。
ビッグモーター 和泉社長
「不適切な事案について本当に各店、現場の皆さんには心配と負担をかけたと。まずは皆さんにおわびしたいと思って来ました。会社を代表して謝罪します。申し訳ありませんでした」
頭を下げ謝罪しました。その後、口にしたのは“数字は上向き”と回復をにじませる言葉でした。
ビッグモーター 和泉社長
「いま皆さんが日々頑張ってお客さんの信頼回復のために不安を取り除く活動をしてもらってます。その結果、9月、少し数字の方も上向きになってきている。一歩ずつ信頼回復を果たしていかないといけないと思ってます」
ただ、現役社員の“実感”は、ほど遠いものでした。
ビッグモーター 現役社員
「何をして上向きになったのか、自分たちは不思議でしょうがなくて」
――上向きだと思えない?
ビッグモーター 現役社員
「思えないですね。販売の方はまったくですね。1週間で5~6台売れてたのが(今は)2週間で2~3台売れればいい方。格段に減ってますよね」
“上向き”とは、到底思えない現実。暇をもてあます社員もいるということです。
ビッグモーター 現役社員
「お客さん来なくて暇だし、何もすることないからって、裏で営業同士でキャッチボールしてる人もいれば、中にはゴルフクラブ持ってきてゴルフの練習してるやつも」
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一方の損保ジャパンでは、今回の問題をめぐり白川儀一社長が辞任を表明。ビッグモーターによる不正の可能性を知りながら取引を再開するなど、“親密な関係性”が問題視されています。
鈴木俊一金融担当相(19日午前)
「こういう事態が二度と起こらないように、しっかりやっていく。検査を通じた実態を明らかにするのが一番大切」
立ち入り検査について損保ジャパンは「真摯に対応していくとともにお客様の被害回復に努めていく」とコメント。ビッグモーターは「全面的に協力していく」としています。
立ち入り検査は今後、数か月かけて行われるといいます。金融庁は2社それぞれに部屋を構え、十数人の検査官が常駐して徹底的な実態解明を行っていくとみられます。