×

店内3坪「極狭」パン屋“狭さ”の利点は?

2020年10月28日 20:29
店内3坪「極狭」パン屋“狭さ”の利点は?

とても狭いパン屋さんが、いま、注目されています。狭さを逆手にとり、すぐに客の対応ができるという利点もあるということです。また、狭い店だからこそ、密にならない工夫もしていました。

 ◇◇◇

神奈川県横浜市、あざみ野駅にほど近い場所に今月オープンしたのは食パンの専門店です。

こちらの食パン、お湯で生地をこねることによって、しっとりもちもちとした食感が特徴だといいます。

さらにこの店、実は…。

高匠 原木冴佳店長「(元々)銀行のATMでした。広さは3坪しかないんです、大変狭いです」

なんとATMの建物を活用したお店なんです。去年4月に撮影された、同じ場所の画像。たしかにATMがあった場所にパンの専門店があるのがわかります。

でも、なぜATMを活用したのでしょうか。

原木冴佳店長「駅から近い場所になるので、パン屋さんとして出店するには最適な場所だなと思いました」

店内は狭いため2斤の食パンとジャムのみの販売。食パンは都内の工場で作られ、朝運ばれてくると言います。

また狭いため、こんな対策も。

原木冴佳店長「基本的に1組だけお入りいただいて、スタッフも1人、2人程度で接客しますので、十分な距離を保てるというところは、狭くあるからこそ保てる距離かなと」

お客さん「最初見たとき狭いな~と思ったんですけど、これ1個だけだからすぐ買えるでしょ。かえってパッともらえるからいいですね」

250本の店頭販売分はオープンから3時間ほどで完売。その後、追加での販売も行ったということです。

 ◇◇◇

狭いスペースでパンを販売するお店は他にも。栃木県・宇都宮市では。

自宅を改装し、2018年オープンしたという、こちらのお店では、4畳ほどだという店内に所狭しと並ぶパン。その数は30種類ほどにも及ぶといいます。

オープン前にはすでに行列ができていました。狭い店内について店長は…。

マツパン 松本剛志店長「コミュニケーションがとりやすいなって。対面販売っていうこともあって、世間話とか連れてくるお子さんの成長が、こちらも楽しみになったりとか」

また店内では、飛まつを防止するシートなど新型コロナウイルス対策も。

お客さん「コロナ対策をしっかりされてるんだな、いいなって。自分でとるのかなって思ったけど、とってくれたので安心じゃないですけど、手に触れないのでよかったなって」

元々、トレーやトングなど狭くておく場所がないなどの理由で、店の担当者がお客さんに代わり商品をとっていましたが、コロナ禍の今では安心だという声も聞かれると言います。

 ◇◇◇

佐賀県内で2月にオープンしたこちらのベーカリーも店内はわずか3坪ほど。店主の吉長さんは…。

168 IROHA bakery 吉長紀子さん「自宅ガレージを改装したんです。駐車場を4台確保したかったので、3坪という面積になってしまって」

わずか3坪の面積ですが、一方ですぐに客の対応ができるという利点もあると話します。

野菜や小麦など地元の物を使っているというこちらのお店。オープン以降お客さんも増え、週末には50~60人が訪れると話します。

吉長紀子さん「子供たちが、自分たちでお金を持ってパンを買いに来るとか。子供たちが成長する姿を、パン屋のおばちゃんとして見たいなと」