×

寒い地域で新規感染者が過去最多 関係は?

2020年11月2日 21:35
寒い地域で新規感染者が過去最多 関係は?

全国で感染者は増え続け、1日あたりの新規感染者数が10月以降に過去最多を更新する地域も相次いでいます。寒くなって再び感染が拡大している地域がありますので、詳しく見ていきます。

■1日あたり新規感染者 6道県で過去最多を更新

東京で11月2日に確認された新たな感染者は87人で、14日ぶりに100人を下回りました。

一方で、全国の感染状況を見てみます(以下、11月1日の数字)。全国で614人。北海道で69人、愛知で48人。大阪は123人と、東京の116人を上回りました。

また、10月以降、1日あたりの新規感染者数が過去最多を更新した所は、北海道、青森、宮城、福島、埼玉、岡山の6道県です。

■北海道 独自の警戒レベルの引き上げ

特に北海道では、10月30日・31日と2日連続で過去最多を更新していて、感染の再拡大が顕著です。北海道は10月28日、独自の警戒レベルの引き上げに踏み切っています。

北海道の鈴木知事は10月28日、「本日をもって警戒ステージ2に移行すると決定した。感染拡大を早期に抑え込み、社会経済活動との両立を進めるための重要なステージ」と述べています。

鈴木知事は、11月10日までの2週間、テレワークを推進するなど感染リスクを回避する行動を取るよう要請しました。

さらに、すすきののスナックと札幌市内の食品関連会社の2か所で、新たなクラスターも確認されています。

また、クラスターは埼玉県でも確認されています。朝霞市にある介護付き老人ホームで、入所者ら61人の感染が確認されました。

■「寒さ」と感染拡大の関係 専門家は?

10月以降に1日あたりの新規感染者数が過去最多を更新した所は寒い地域が多いことから、寒さと関係があるのか専門家に聞いてみました。

感染症が専門の国際医療福祉大学成田病院・松本哲哉医師は、「寒さは感染拡大につながっている面もある」と指摘しています。

感染拡大は人と人との接触が一番の要因ですが、気温や湿度も影響しています。寒くなり屋内で過ごす時間が長くなると、人と人との距離が近くなり、換気も悪くなるという問題が出てきます。したがって、感染が広がりやすい要因になっているのではないか、ということです。

■イギリスではロックダウン ウィリアム王子は感染していた

海外では、ヨーロッパの第2波が深刻化しています。

イギリスでは10月31日、1日の新たな感染者数2万1919人。累計の感染者数は100万人を超えています。感染の再拡大をうけてイギリスは事実上、2度目のロックダウンを開始すると発表しました。11月5日から約1か月間、規制を強化します。不要不急の外出は禁止で、食料品店や薬局などを除くほとんどの店の営業が禁止されます。第1波が押し寄せた春に次ぐ厳しい規制となっています。

さらに、イギリスではウィリアム王子が、実は今年4月に感染していたことが報道されました。関係者によりますと、当時症状は重く、一時呼吸困難になり周囲の関係者がパニックになっていた、とのことです。王子は一時隔離され、王室の専属医師が治療にあたっていたということです。

父・チャールズ皇太子が3月下旬に感染したことは明らかになっていましたが、ウィリアム王子は公表されていませんでした。王子は「誰にも心配をかけたくなかった」とのことです。

■独仏伊でも感染対策強化

感染対策を強化しているのは、イギリスだけではありません。

フランスでは10月30日から少なくとも12月1日まで外出制限、外出には許可証が必要となります。通勤・通院などを除く不要不急の外出禁止となっています。

ドイツも11月2日から1か月間規制を強化し、娯楽施設やスポーツ関連施設は閉鎖、国内旅行目的の宿泊は禁止になりました。

イタリアでは、1日の感染者数が3万人を超えている状況です。10月26日から、午後6時以降飲食店の営業禁止などが行われています。

こうした状況に松本医師は、「ヨーロッパは確実に気がゆるんだ。最初のロックダウンが厳しかったので、解除されて人々の反動があったのではないか」と指摘しています。

また、日本については「第二波より第三波は、数は確実に増える。というのも、いまは活発な行動を促すような動きとなっているので、感染が落ち着いていると誤解を生んでいる」と指摘しています。

「GoToキャンペーン」は経済を考えてのことですが、今までやってきた感染対策を我慢強く続けていくしかありません。

(2020年11月2日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)