保険証の新規発行が終了「マイナ保険証」に本格移行 窓口では混乱も…
従来の保険証に代わり、12月2日から本格的に「マイナ保険証」に移行します。初めて「マイナ保険証」を利用する人もいるなか、窓口では困惑する人の姿もありました。
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季節が移ろうなか、お世話になりがちな医療機関で、12月2日から“変わること”。それは受付時に見せる「健康保険証」です。
受付
「マイナンバーカードのカバーを外して、お顔が画面に向くようにお願いします」
2日から「マイナンバーカード」を使う「マイナ保険証」への移行が本格的に始まったのです。現在の健康保険証は今後、有効期限まで最長1年間は使用できますが(会社員の場合は来年12月1日まで、国民健康保険などの場合は記載の有効期限まで)、新規発行は終了。
そのため、都内の薬局では呼びかけに力を入れていました。
記者
「マイナンバーカードを利用してほしいという張り紙があります」
ただ、浸透するには“課題”が多いようで…
有明ファミリー薬局 薬剤師・小林和正さん
「機械のどこに差し込んで使うのか質問されたり、保険証との違いを説明したり、手間が非常にかかる」
機械の使い方などの説明。さらに…
有明ファミリー薬局 薬剤師・小林和正さん
「手持ちにマイナンバーカードがなくて、おうちにはあるからと、1回家に帰って戻ってくる人が何人か」
そもそもマイナンバーカード自体を持っていない人もいます。
利用客
「(マイナンバーカード)持ってないですね。何の意味があるのかなって」
この薬局ではマイナ保険証の利用者はわずか5%ほどだといいます。
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一方、マイナ保険証の利用者は10月まで5%ほどでしたが、ここ数日で急増したという都内のクリニックも…。“トラブル”が確認されていました。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長
「例えば名前が表示されない。名前が赤丸で表示されてしまう」
「●橋さん」と表示された患者さん。氏名は「高橋」さんで、本来、「たか」の字は旧字体の「はしごだか」を使います。こうした旧字体が含まれる場合、正確に表示されないことがあるというのです。
また病院にあるカルテとの紐付けは手作業になるため、負担は大きいということです。
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それでも「マイナ保険証」には患者・病院にメリットもあるといいます。まずは受付。これまでの健康保険証の場合、初めて訪れた病院では氏名や生年月日などの情報は手作業で入力していました。
一方、マイナ保険証の場合は、初めての病院でもカードをかざすだけで受け付けが完了。
さらに診察についても、マイナ保険証で受け付けをすると、患者の情報がすぐに診察をする医師のパソコンに。本人の同意を得て別の医療機関での1か月前までの診療履歴や処方薬の情報なども確認可能。飲んでいる薬の情報などが、直接、話すことなく医師に伝わるということです。
実際に「マイナ保険証」を使っている人は…
マイナ保険証を利用
「保険証って今まで顔写真がなくて、偽造できそうな不安があったので、ある意味、安心かなって。間違いなく自分みたいな。手続きは早くなったと思う」
“メリット”を実感しつつも、不安もあるようです。
マイナ保険証を利用
「機器の故障で使えなくなったときは、今までのやつとか、結局、両方持っていた方がいいのかな」
有明ファミリー薬局 薬剤師・小林和正さん
「保険証を捨ててしまうと、マイナンバーカード忘れたとか、持ってないときがあるので、一応両方とも持っていた方がいいと思います」
トラブルが起きた場合には、これまでの健康保険証が役立つということで、捨てずに保管しておくことが大切です。