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南極オゾンホール面積 南極大陸の約2倍に

2022年11月25日 20:12
南極オゾンホール面積 南極大陸の約2倍に

人間の健康や生態系に影響を及ぼす南極オゾンホールの面積が、今年は南極大陸の約2倍の大きさとなっていたことが気象庁の解析で明らかになりました。

南極オゾンホールは、オゾン層を破壊する物質によって南極上空にあるオゾン量が極端に少なくなり、オゾン層に穴があいたような状態になることです。毎年8月から9月ごろに発生し、急速に発達して、11月から12月ごろに消滅します。

気象庁がNASA(=アメリカ航空宇宙局)の衛星観測データをもとに解析した結果、今年、南極オゾンホールの最大面積は2640万平方キロメートルで、過去10年間で2番目に大きくなりました。これは、南極大陸の約2倍の大きさだということです。

気象庁は、今年はオゾン層破壊の主な原因とされているフロンガスの放出に加えて、破壊を促進させる非常に低温の雲「極域成層圏雲」が例年より発達したことが要因だと分析しています。

オゾンホールが発生すると、地上に降り注ぐ紫外線量が増加し、皮膚がんや免疫機能の低下など健康への悪影響が指摘されているほか、生態系にも影響があるとされています。

オゾンホールの面積は気象要因によって毎年変動はあるものの、厳しい規制によりフロンガスの放出量が減少しているため、2000年以降はオゾン層の回復がみられているということです。

※画像:気象庁作成(白・灰色がオゾンホールを示す)