【全文】電気料金負担軽減策「様々な観点から検討」 松野官房長官(10/3午前)
松野官房長官は、3日午前の会見で、自民党の萩生田政調会長が電気料金の値上げについて「今、家庭で2割上がっている。少なくとも半分ぐらいまでは戻していく必要がある」との考えを示したことを受け「様々な観点から検討を進める」と述べました。
<会見トピックス>
▽臨時国会
▽世論調査
▽岸田政権発足1年
▽ウクライナ日本大使館
▽電気料金負担軽減策
▽日銀短観
▽松野長官の体調
会見の概要は以下の通りです。
○松野官房長官
繰り上げ閣議の概要について申し上げます。
一般案件として、第210回国会における岸田内閣総理大臣所信表明演説案ほか1件、政令・人事が決定をされました。
私からは以上です。
――きょうの臨時国会召集について、閣議決定された所信表明ではどのようなことを発信していきたいのか。
また、今国会では新たな経済対策の裏付けとなる補正予算を提出することになると思うが、いつ頃の提出を目指すのか。
国葬や旧統一教会の件などについて論戦、どのような姿勢で臨むのか。
○松野官房長官
先ほど閣議決定した所信表明演説では、世界および日本が直面する歴史的な難局を乗り越え、我が国の未来を切り開くための政策を実行していくことを訴えていくこととしています。
具体的には、この後の本会議で述べますが、日本経済の再生が最優先の課題であるという認識のもと、物価高や円安への対応、構造的な賃上げ、成長のための投資と改革の三つを重点的分野として取りくんでいくこと。
日本経済再生をはじめとする課題に対応するための総合経済対策を今月中に策定した後、その内容を踏まえて、今国会に補正予算を提出すること、ロシアの暴挙が国際秩序の根幹を揺るがし安全保障環境が急速に厳しさを増す中、多層的な外交の展開と防衛力の抜本的強化を通じて、アジアと世界の平和と安定を断固守り抜いていくことを表明する予定であります。
また国葬儀については、今後、検証なども通じて、国民各層の幅広いご理解を得られることが出来るように努めていくと共に、統一教会との関係については、国民の皆様の声を受け止めながら、悪質商法などの被害者の救済に万全を尽くすなど取り組みを進めていきたいと考えています。
――弊社の世論調査について伺います。
週末の世論調査では、岸田内閣の支持率は40%と前回と横ばいの一方で不支持は50%と初めて半数に達しました。
不支持が支持を上回るのは2か月連続です。
まずこちらの所感について伺います。
また、先日行われた安倍元首相の国葬については「評価しない」が59%で、旧統一教会への対応も「評価しない」が67%といずれも「評価」を大幅に上回っています。
説明の内容などこれまでの対応は適切だったと考えでしょうか。
これまでの対応と合わせてお願いします。
○松野官房長官
世論調査の数字に一喜一憂はしませんが、一般論として申し上げれば、世論調査に現れた国民の皆様の声を真摯に受け止め、政府としての対応に生かしていくことが重要であると考えています。
引き続き、政府としては、物価高への対応に向けた総合経済対策の策定など一つ一つの課題に真摯に取り組んでまいりたいと考えております。
国葬儀の評価について、また旧統一教会についての問題に関してご質問がありました。
国葬儀については、今後幅広い有識者の方々からご意見を伺い、検証を行うこととしており、こうしたことも通じ、国民各層の幅広いご理解を得ることができるように努めていく考えであります。
旧統一教会との関係については、国民の皆さんの声を受け止めながら、悪質商法などの被害者の救済に万全を尽くすなど取り組みを進めていきたいと考えています。
――明日で岸田政権発足1年ですが、振り返っての評価と今後、具体的にどう取り組むか。
○松野官房長官
昨年の内閣発足以来、国民の皆さまの声を丁寧に聞きながら、常に緊張感と危機感を持って政権として新型コロナの感染拡大、ロシアによるウクライナ侵略、世界的な物価高騰など次々と生じる歴史的な難局への対応に全身全霊を傾けてきました。
本日から始まる臨時国会においても、日本経済の再生などに向けて、引き続き、国民の皆さまからの声を真摯に受け止めながら、提出法案等の国会審議を含め、政府の考えを丁寧に説明し誠実に対応していきたいと考えています。
――ウクライナの日本大使館再開について伺います。
ウクライナ大使館再開を巡っては、日本以外のG7各国はすでに再開済みです。
先日の岸田首相とゼレンスキー大統領との電話会談でも、この件について話題となりました。
月内にキーウで大使館を再開するとの一部報道もありますが、現在の調整状況について伺います。
○松野官房長官
在ウクライナ日本大使館の再開は、日ウクライナ両国間の緊密な意思疎通にとっても重要であり、先日の岸田総理とゼレンスキー大統領との電話会談においても、総理から大使館の再開に向けた日本側の検討状況について説明をしました。
今後のキーウにおける大使館再開については先般の松田駐ウクライナ大使のキーウ訪問で得られた情報等も踏まえつつ、総合的に検討を進めているところであります。
――自民党の萩生田政調会長は、出演したテレビ番組で、電気料金の値上げについて、「今、家庭で2割上がっている。少なくとも半分ぐらいまでは戻していく必要がある」との考えを示した。
今月中に取りまとめる総合経済対策に向けて、政府としても同様の認識かどうか伺う。
○松野官房長官
萩生田政調会長がご指摘のような発言をされたとの報道は承知をしています。
電気料金についてはこの1年間で、家庭向け料金は約2割、産業向け料金は約3割上昇しており、需要家にとって重い負担となってきていると認識をしています。
こうした状況に対応するため、9月9日の物価・賃金・生活総合対策本部で取りまとめた追加策として、6000億円の電力・ガス・ 食料品等価格高騰重点支援地方交付金の創設、住民税非課税世帯に対して、1世帯当たり5万円をプッシュ型で給付する電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金を措置し、9月20日に所要の予備費の閣議決定を行ったものであります。
そう、総合経済対策についての先日の総理の指示を受け、今後の国際的な燃料価格を踏まえた電気料金の動向や、様々なご意見も踏まえながら、具体策を検討してまいりたいと考えております。
対策の具体的な内容をどのようなものにしていくのか、これにつきましては、様々な観点から検討を進めてまいりたいと考えています。
――日銀が先ほど発表した短観について伺う。
今回の結果を政府としてどう受け止めているか、所見を伺う。
○松野官房長官
本日公表された、日銀短観9月調査において業況判断DIは、大企業製造業ではプラス8で、3期連続の低下となる一方、大企業非製造業ではプラス14で、2期連続の改善になったと承知をしています。
また2022年度のソフトウェア研究開発を含む設備投資計画は、企業収益の改善等を背景に、大企業全産業で前年度比プラス16.2%と見込まれています。
こうした動きは、全体として景気の緩やかな持ち直しの動きを反映したものと考えていますが、世界経済の減速リスクを十分視野に入れつつ、足下の物価高騰など、経済情勢の変化に切れ目なく対応し、新しい資本主義を前に進めるため、総合経済対策を10月末を目途に取りまとめてまいりたいと考えております。
――松野長官は先週金曜日の昼過ぎに体調不良でご帰宅されたが、その後の体調は。
○松野官房長官
先週金曜日の夕方、微熱が出たため大事をとって自宅で療養しました。
当日のうちに回復をし、週末の公務は支障なく行うことができました。
皆様にはご心配をおかけしましたが、今後とも体調に留意し、しっかりと職務に当たってまいりたいと考えております。
なお、念のため週末に3度抗原検査を行いましたが、いずれも陰性でありました。