愛子さま19歳に 宮内庁公表「ご様子」後
愛子さまは、12月1日、19歳の誕生日を迎えられました。誕生日に先立ち、宮内庁は愛子さまの近況を公表しました。以下、全文です。(後編)
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この一年も、学業の合間を縫って、両陛下とご一緒に様々なご経験をなさいました。
昨年の12月と本年1月には、都内で行われた映画のチャリティ試写会に両陛下とご一緒にご臨席になりました。いずれの試写会も、趣旨に賛同して大勢の方が集まっていることを嬉しく思われているご様子でした。
1月下旬には、両陛下とご一緒に国技館を訪れ、大相撲1月場所をご観覧になりました。内親王殿下ご自身としては、平成19年の秋場所以来、13年ぶり3度目となるご観覧であり、力士の迫力ある相撲をお楽しみになりました。
5月頃からは、本年も、赤坂御所において蚕の飼育をなさいました。この蚕は、学習院初等科3年生の時に学校から頂いて飼育を始められて以来、10年間累代で育てていらっしゃるもので、蚕が病気になった場合に備えて、2つのグループに分けて大切に飼育なさっています。卵からふ化させ、徐々に大きくなる幼虫たちに、御用地内で摘まれた桑の葉をご自身で与えられたり、厚紙で蔟(まぶし)を作ったりなさって、無事に新たな卵をお取りになることができました。
8月下旬、内親王殿下のご誕生を記念してタイから贈られ、上野動物園で飼育されていた2頭のアジアゾウのうち、雄のアティが亡くなったとの知らせをお受けになりました。内親王殿下には、昨年5月に学習院女子高等科の遠足で上野動物園をご訪問になった際に約13年ぶりの再会を果たされていたこともあり、知らせをお聞きになって、とても残念に思っていらっしゃるご様子でした。また、長年にわたり飼育に携わってきた動物園関係者に対するおねぎらいのお気持ちをご一家でお伝えになりました。
その後、10月末には、アティと共にタイから贈られた雌のウタイが、亡くなったアティとの間にできた雄の子象を無事に出産したとの知らせをお聞きになりました。内親王殿下には、両陛下とご一緒にお喜びになり、子象の無事の成長を願われるとともに、いつかまた母親のウタイと元気に育ったこの子象に会える日を楽しみになさっていらっしゃいます。
11月には、立皇嗣の礼が行われました。当日は一連の儀式の様子をテレビ等でご覧になり、また、内親王殿下ご自身も、天皇皇后両陛下並びに皇嗣同妃両殿下へ祝賀をお述べになる機会がありました。この立皇嗣の礼をもって、昨年の春以来執り行われてきた上皇陛下のご退位、天皇陛下のご即位に関連する皇室の大きな節目となる儀式や行事が全て終わりました。内親王殿下には、国民の皆さまの温かい祝意の中で、両陛下が一つ一つの儀式・行事にお心を込めて臨まれるご様子をテレビ等でご覧になるとともに、赤坂御所で入念に準備をなさる両陛下のご様子を間近にご覧になっていらっしゃいましたので、全ての儀式・行事が無事に行われたことを感慨深く思われたご様子でした。
また、内親王殿下ご自身にとられましても、この一連の儀式・行事を通じて、皇室の長い歴史や伝統、そして常に国民に寄り添われ、国民と苦楽を共に歩んで来られた上皇上皇后両陛下のお姿やお歩みについてもより深く学ばれる機会になりました。また、内親王殿下には、お代替わり後も、上皇上皇后両陛下のお歩みや歴代天皇のなさり様を心に留められて、一つ一つのご公務に真摯に向き合い、お務めを果たそうとなさっていらっしゃる天皇皇后両陛下のお姿を日々お側でご覧になりながら、成年皇族のお務めへのお心構えについて、思索を深めていらっしゃるご様子です。
内親王殿下には、日頃、赤坂御所でオンライン形式による大学の遠隔授業をお受けになり、課題やレポートの提出に向けての作業や予習・復習などに励まれる中で、両陛下とご意見を交わされたり、アドバイスをいただかれたりすることもございます。また、授業のない時間や休日には、御所の玄関にお出になって両陛下のお出ましのお見送りやお出迎えをなさったり、ご一緒にご散策をされるなど、ご一家でお過ごしになるお時間をとても大事になさっています。
また、犬の「由莉」、猫の「みー」と「セブン」を始め、お飼いになっている生き物のお世話もなさっていらっしゃいます。そのほか、新型コロナウイルス感染症の感染予防に留意しながら、職員と屋外でバドミントンやバレーボールなどのご運動をお楽しみになることもおありになります。
愛子内親王殿下には、本年、新型コロナウイルス感染症の影響でこれまでに例のない形での新たな大学生活が始まる中、また、天皇皇后両陛下とご一緒にご活動をされる中で、新たな経験をお積みになりながら、お健やかに19歳のお誕生日をお迎えになろうとしています。