しじみ食害“2000万円”厄介者を撃退へ
全国有数のしじみの産地が、ある厄介者に悩まされています。年間2000万円ほどの食害が出ていて、今年からその撃退に乗り出しました。
青森の郷土料理を堪能できる「郷土酒肴あおもり屋」。イチオシは。
郷土酒肴あおもり屋 蔦林直樹総料理長「こちらが(青森県)十三湖のしじみです」
実は、しじみの生産量が全国2位の青森県。中でもブランドといわれる十三湖産のしじみは。
蔦林直樹総料理長「味が濃いんですね。身も大きいのですごく食べ応えもありますね」
その濃厚なだしを、卵焼きにするもよし。酒蒸しにするもよし。美味しいシーズンを迎えているしじみですが、実は毎年この時期、ある生き物による食害に悩まされているといいます。
青森の名産地、十三湖。しじみを食い荒らしている、その正体とは。
十三漁業協同組合 工藤伍郎組合長「いやー、カモなんですよ、カモの被害なんですよ。ハンパじゃないですよ、ほんとハンパじゃない」
ハンパじゃないと語るのは、カモによる食害。すると、取材中…。
工藤伍郎組合長「カモいますよ、ずーっと奥の方にもいますでしょ」
現れた、カモの大群。まさにハンパじゃない様子。
工藤伍郎組合長「ハンパじゃないですよ。我々もカモにされてるような感じ、カモに。遊んでるようなカモもいるでしょほら、バカにしてる」
毎年この時期、少なくとも1000万~2000万円の被害が出ているというカモの食害。戦い続けること、なんと20年。地元の猟友会に駆除を頼んだり、花火で撃退を試みたりするも、全く効果はなく、まさにカモの独壇場状態。
そこで先週、新たな撃退作戦を開始することに。
工藤伍郎組合長「我々(人間)の耳には聞こえないけども。カモに聞こえるような音を出す。電波みたいなのを使って、音を出すと」
カモにだけ聞こえるという音を浜から流し、沿岸部から追い出すという作戦です。大阪の民間企業と協力し、先月26日(木)から試験的に開始し、これまでに3日間行ったといいます。
シンデン・ハイテックス大阪営業部 藤田美香次長「韓国の養殖場でも渡り鳥に対して、効果があったというデータがあるので、これであればいけるだろうと」
これまで何度もコケにされてきた、しじみ漁師。果たして、今回は。
工藤伍郎組合長「(カモは)いなくなるのはいなくなるんだけど、またすぐ来る感じ」
またもや効果なし。ですが、これは、まだ実験段階。
藤田美香次長「スピーカーからターゲット(カモ)までの距離が、かなりあったので、距離が飛ぶスピーカーのタイプで改善したいと思ってます」
組合長も、あきらめていません。
工藤伍郎組合長「これにかけてる、これから取り組ませていただこうかなと」