絶滅危惧種クロマグロ 来年、値段下がる?
「黒いダイヤ」とも呼ばれるクロマグロ。来年以降、値段が下がるかもしれません。
東京・武蔵野市の『まぐろ人 吉祥寺店』で、冷蔵庫から取り出された大きな包み。出てきたのは鹿児島県産の養殖クロマグロで、大トロは1貫429円(税込)です。
板長・出口瑠尉さん「(天然モノは)希少価値が高いです」
太平洋でとれる天然のクロマグロは7年前から絶滅危惧種に指定され、それぞれの国や地域に漁獲枠が厳しく制限されています。
こうした制限が続く中、期待されているのがクロマグロの「完全養殖」です。
マルハニチロ養殖技術開発センター・椎名康彦さん「1年を通して安定した品質を供給できるという特徴がある」
一方で、まだまだ価格が高いという課題もあります。マルハニチロでは、AIの活用などで人手を減らすことにより価格をおさえようとしています。
椎名康彦さん「“養殖で作った方が安くておいしい”みたいなものを目指して研究開発しています」
背景には、クロマグロの乱獲による資源量の低下がありました。国際団体によりますと、天然のクロマグロの総資源量は一時期落ち込みました。ただ、ここ最近は大きく伸びて、3年前には2000年以降最多となるまでに回復しています。
水産庁は、この資源量の回復をきっかけに漁獲枠の拡大を国際会議で提案していました。
そして、29日、国際会議が閉幕し、大型魚の漁獲枠を15%拡大することで合意しました。今回の結果を受け、さらに年内に開かれる予定の国際会議で議論され、最終的に決定されます。