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庶民の味方イカ高騰“タイ”並みに なぜ?

2020年12月10日 22:10
庶民の味方イカ高騰“タイ”並みに なぜ?

全国的に不漁が続いているイカ。今年は、さらに価格が高騰し、手が届きづらい状況となっています。

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その半透明な身と、独特の食感がたまらない。世界で最も日本人が食べているともいわれるイカ。安くておいしいと親しまれてきた庶民の味ですが…。

寿司さいしょ 税所伸彦店主「1貫200円くらいで以前は販売していましたけど、今は1貫300円くらい頂戴しないと」

すし店「寿司さいしょ」では、100円値上げし、1貫300円で提供しているといいます。実は。

税所伸彦店主「イカとタイ300円ずつ、ほとんど並んでますから、タイの領域にスルメイカが近づいてきた」

庶民の味方だったイカが、なんとタイと同じ価格にまで値上がりする状況に!というのも、イカはここ数年不漁が続いていて、ここ10年の水揚げ量は、毎年のように過去最低を更新し、みるみる減少。去年は、2011年の4分の1ほどしかとれていないのです。

税所伸彦店主「(以前は)一杯100円くらいだったんですけど、きょうこれで500円超えていますから 一杯500円ですからね」

飲食店の需要が落ち込み、多くの魚介類の価格が下がる中、高騰し続けているというイカ。

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より深刻なのは、イカの町として知られる北海道・函館市です。

塩辛を作っている会社、「小田島水産食品」。原料となるイカの在庫を見せてもらうと。

小田島水産食品 小田島隆社長「このくらいしか今在庫していません。(Q 今はこれだけ)そうです。これだけですけど。蔵(冷凍庫)全体が3段までびっしりありました。今はもうそれだけです」 

10年前は、冷凍庫を埋め尽くすほどあったというイカが、今はたったこれだけに。毎年じりじりと減っていき、ついに今年は。

小田島隆社長「本当に使う分だけ、当日用買いという形で仕入れています」

イカの町、函館ですら在庫が底をつき始めているというのです。この会社によると、今年は、数年続く不漁がさらに悪化していると同時に在庫がつき始めている業者も全国的に増えているといいます。

小田島隆社長「原料(イカ)が2倍3倍と高くなっているせいもあり、1年分とか半年分とか(仕入れることは)できません。値上げ値上げとすると客離れといいますか。(イカが)とれるような状況になってほしい」

 ◇◇◇

悩まされるイカの不漁。観光地ではさらに追い討ちをかけられています。

その日とれた新鮮なイカを、釣ってその場で食べられるお店「活いか釣堀」。例年であれば1匹1000円前後で販売されていますが。

活いか釣堀 小野寺透さん「1500円前後の方が多い。1800円とかは普通になっちゃっている」

仕入れられるイカが半分ほどになり、大幅に値上げせざるを得ない状況に。そこへ。

小野寺透さん「コロナの関係で観光客も少ないので。ガクッと減りました」

多い時には、2時間待ちの行列が出来るほどだった、観光客の姿は消え、売り上げも例年の半分ほどに。

小野寺透さん「ほんとにダブルパンチですよね。観光客はいない、イカはとれない、もうどうしていいのか…」

長らく続く、イカの不漁。水産庁によると、ここ数年海水温が、イカの育つ温度に適していないため、生育不良につながっているということです。

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