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GEA国際会議開会式「陛下おことば」全文

2020年12月14日 22:06
GEA国際会議開会式「陛下おことば」全文

天皇皇后両陛下は、都内で2日間にわたって行われる「GEA(地球環境行動会議)国際会議」の開会式に出席されました。国内外の有識者が環境問題の解決や持続可能な開発の実現を話し合う国際会議で、天皇陛下の出席は10回目、両陛下では5回目です。以下、開会式での「天皇陛下おことば」全文です。

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国内外からの参加者を迎え、GEA国際会議2020が開催されることを、うれしく思います。

気候変動やその他の脅威から地球環境の保全を図ることは、私たちが取り組むべき喫緊の課題と言えます。私がこれまで関わってきた「水」の分野においても、近年頻発する水災害はその遠因に気候変動があると分析されており、今十分に対策を講じなければ被害が激化していくことが懸念されています。

また、現在、世界各地で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、人類にとって大きな試練です。この困難な状況を乗り越えていくために、今後、私たち皆が、なお一層心を一つにして力を合わせていくことが大切です。同時に、この感染症の試練は、私たちの日々の生活や社会の在り方をあらためて見つめ直す機会ともなると思います。

このような中で、「環境と経済の統合~環境と成長の好循環を目指して~」をテーマとした本会議は、持続可能な社会の構築に向けて、私たちが国や立場の違いを越えて協力し合うため、世界の叡智(えいち)を結集する貴重な機会です。

今年2020年は、2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標」の達成に向けた「行動の十年」の始まりの年であるとともに、気候変動に関する「パリ協定」の実施が開始される重要な年です。世界全体がこれらの目標に向けた取り組みを本格的に推進していくことが求められている現在、私たちの望む未来に向けて一人一人がどのように行動するかが問われています。

今回の会議では、持続可能な開発目標、気候変動、生物多様性の保全、循環経済など幅広い課題に対する国や企業の戦略、科学技術や金融の果たす役割などについて、さまざまな分野の専門家を迎え、議論が行われると聞いています。

この会議で、私たち人類と、私たちの子孫、そしてさらには全ての生き物が、末永く地球環境の恵みを享受できるような未来の実現に向け、活発な議論が行われ、世界に向けて発信されることを期待いたします。そして、新型コロナウイルス感染症の試練を乗り越え、持続可能な社会の構築に向けた具体的な取り組みがさらに進むことを願い、挨拶といたします。