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お騒がせ“捕獲”動物 コロナ禍で救世主に

2020年12月16日 20:35
お騒がせ“捕獲”動物 コロナ禍で救世主に

世間を騒がせたり、厄介者として捕獲された動物が、引き取り先の動物園などで人気者になっています。一時は殺処分も検討された動物も活躍していて、施設の救世主となっていました。

子どもたちに大人気の1匹のヤギ。エサをもらい満足そうです。

子ども「ポニョ~ポニョ~」

「ポニョ」と呼ばれるこのヤギ。千葉県佐倉市の線路の上の斜面におよそ3か月間棲みつき、話題となった「ポニョ」です。8月に捕獲されると、同じ佐倉市にある「草ぶえの丘」に引き取られました。

16日、ポニョに会いにいってみると…さっそうと現れ、元気な姿を見せてくれました。

食欲旺盛なポニョ。施設での3か月半の生活で、体の大きさはおよそ1.5倍になったそうです。

展示を始めると、すぐに人にも慣れ人気者となったポニョ。

この施設は今年、新型コロナウイルスの感染防止のためイベントなどが開けず、厳しい状況だったということですが――

草ぶえの丘飼育職員・西野剛史さん「ポニョのおかげで非常に施設として助かっている。救世主と言っていい」

ポニョが救世主となり、来場者数は例年の1.8倍に。

今後について西野さんは、「草ぶえの丘の女の子なので、アイドルとして成長していってほしいなと思っています」と話しました。

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市原ぞうの国の姉妹園で飼育されている1頭のニホンジカ。今年6月、東京足立区など荒川の河川敷に姿を現したシカです。

その後、捕獲され、一時は引き取り手がなく殺処分も検討されましたが、市原ぞうの国が引き取り、逃げるという意味の「エスケープ」から「ケープ」くんと名付けられました。

人に慣れてきたら展示も検討していましたが…。

市原ぞうの国・坂本小百合園長「私どものところでは、動物に手渡しでエサをあげたりするのがメインにしている動物園ですから、この子はそれが、なかなかできないというのと」

野生で育ったため警戒心が強く、毎日世話をしている飼育員でも、手で直接与えたエサを食べるのは、週に1回ほどだといいます。

そんなケープくんのため、市原ぞうの国では、複数の丸太を使い隠れる場所のある「ケープの森」を新たに建設予定。来年3月からの一般公開を目指しています。

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有害鳥獣として捕獲された動物や、飼いきれなくなった動物を引き取り育てている動物園。

サルやハクビシンなど、およそ13種類の動物が展示されています。イノシシはおよそ50頭飼育されていて、エサやり体験も可能です。

母熊が駆除され、赤ちゃんの時から、この動物園で育てられているツキノワグマ。現在、生後10か月になり、体長120センチほどに成長しました。“コロナ”の影響で苦しい状況の中、こうした動物が来場者の集客につながっているといいます。

東筑波ユートピア飼育員・牧志郁弥さん「(特に熊は)成長を見たいという方が、リピーターとして何回も来てくれています」

世間を騒がせたり、厄介者として捕獲された動物が、別のかたちで活躍しています。