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「失笑」「うがった見方」本来の意味は? 文化庁“国語調査”で分かったこと 「もふもふ」「きゅんきゅん」…新しい表現も浸透

2024年9月18日 9:42
「失笑」「うがった見方」本来の意味は? 文化庁“国語調査”で分かったこと 「もふもふ」「きゅんきゅん」…新しい表現も浸透

文化庁の「国語に関する世論調査」の結果が17日公表されました。「もふもふしている」「さくっと終わらせる」など新しい表現が浸透していることが分かりました。調査で毎年話題になるのが、本来とは違う意味で使われる言葉。皆さんの認識はどうでしょうか?

■柔らかそうな毛並みの犬、どう表現?

藤井貴彦キャスター
「柔らかそうな毛並みの、かわいい犬の写真があります。『~している』と表現するなら、どう答えますか?」

水野美紀さん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「もふもふしている…?」

藤井キャスター
「街の皆さんはどう答えたのか、17日に東京・有楽町で聞いてみました」

会社員(20代)
「もふもふしている」

別の会社員(20代)
「かわいい~。もふもふしとるなぁ~」 

大学生(20代)
「もふもふ」「ふわふわ」「もこもこ」 

親子
「顔付けて、『もふもふもふ~』をやりたい」「『ふわふわ』より『もふもふ』の方が…」「触った感がある」「『もこもこ』と『ふわふわ』の間くらいな」

藤井キャスター
「インタビューをしたところ、16人中14人が『もふもふしている』と答えました」

■国語への興味や関心を喚起する狙いも

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「17日に公表された文化庁の調査(全国の16歳以上、3559人が回答)では、動物などがふんわりと柔らかそうな様子について、『もふもふしている』という表現を使うことがある人が52.6%でした。既に半数以上に浸透していることが分かりました」

藤井キャスター
「文化庁は何のために調査しているのですか?」

小栗委員長
「文化庁によると、今の日本人の意識や現状を把握することで、国語に関する興味や関心を喚起する狙いもあって毎年調査しています」

■「失笑」「うがった見方」の調査結果

小栗委員長
「中でも話題になるのは、本来とは異なる意味で広く使われている言葉の調査です」

「例えば『失笑する』。こらえ切れずふき出して笑うという意味なのか、笑いも出ないくらいあきれる意味なのかを聞きました。辞書などで本来の意味とされてきたのは前者ですが、調査では26.4%にとどまり、後者だと答えたのは67.0%に上りました」

「次に『うがった見方をする』。疑って掛かるような見方をするという意味で使っている方も多いのではないでしょうか。実際に60.7%の方がそう答えています。物事の本質を捉えた見方をする、という本来の意味を選んだのは32.7%でした」

水野さん
「私も完全に、(本来の意味とは)違う方で認識していました」

■「もふもふ」以外も…浸透している表現

小栗委員長
「今回は、『もふもふ』の他にも新しい表現の言葉を調査しています。『さくっと終わらせる』(=時間や手間をかけずに終わらせる)、『がっつり食べよう』(=しっかり、たくさん食べよう)、『きゅんきゅんする』(=ときめきを感じる)といった表現です」

「これらの表現を使っている人はそれぞれ順に56.2%、46.3%、41.4%と半数前後に上り、かなり浸透していることが分かりました」

■水野さんが演じる場面で気づくこと

藤井キャスター
「私はテレビでは絶対使わない言葉が3つ並んでいます」

水野さん
「言葉はどんどん変わっていくなと思います。ドラマだと新しい言葉は結構反映されていきます。逆に時代劇をやっていると、言葉のルーツと出合うことがあります」

「例えば『つばぜり合い』は刀の鍔(つば)に由来しているんだな、『うだつが上がらない』は建物の一部分の名称から来ているんだなと、現場でも日々言葉の面白さを発見しています」

(9月17日『news zero』より)