×

帰省自粛…アンテナショップで“郷土の味”

2020年12月25日 23:43
帰省自粛…アンテナショップで“郷土の味”

年末年始はステイホームが呼びかけられる中、自治体のアンテナショップで観光気分を味わう人も増えています。これまでは食や文化をアピールしてきたアンテナショップですが、新型コロナウイルスが拡大する中で、変化が起きていました。

大きな鉄板で作られる広島名物の「お好み焼き」。本場の味が作られているのは、東京・銀座にある広島県のアンテナショップです。広島の特産品が並ぶ店内ですが、広島カープらしくマスクも真っ赤になっています。広島カープのマスクは、これまでに、およそ1400枚売れた人気商品だといいます。

お客さん「牡蠣(かき)のカレーパンとか」

広島の特産品を使ったグルメも数多くそろっています。それでも今年は…。

ひろしまブランドショップTAU・落岩祐希斗さん「(お客さんは)かなり減っておりまして、人数的には去年の7割くらいですね」

新型コロナの感染拡大で、売り上げも今年4月~9月までは、前年から6割以上落ちたといいます。そこで、現在はオンライン販売を強化。

また、これまでやっていなかった広島名物、汁なし担々麺のテイクアウトをはじめるなど、ウィズコロナの取り組みが進められています。

   ◇

新型コロナの影響を受けるアンテナショップ。地域活性化センターによりますと、都内のアンテナショップは、81店舗まで増加。昨年度は、そのうち37店舗が、年間で1億円以上を売り上げていましたが、新型コロナの影響を受け、今年2月以降は、売り上げが減少しているということです。

昨年度売り上げが1位となったのが、東京有楽町にある「北海道どさんこプラザ」。多くの店舗が打撃を受ける中、25日も店の前には列ができ、密を避けるため入場制限が行われていました。

それでも、緊急事態宣言が出た4月と5月に休業した影響などで、今年の売り上げは、昨年度からおよそ3割減っているといいます。

   ◇

こうした状況を打破するため、青森県の八戸市などのアンテナショップでは、地元のPR以外に活路を見いだそうとする動きが出ています。

東京・千代田区にある、青森県八戸市などのアンテナショップ。今年6月にオープンする予定でしたが、新型コロナの影響で、工事が遅れ9月にオープンがずれ込みました。それでもオープンから2か月で来場者は10万人を突破。

8base女将・高橋泰恵さん「12月“第3波”といわれるようになってから、本当にがくっとお客さんが減りまして」

今月に入り、一気に減ったというお客さん。この状況を打開するため、いま商品のラインアップを変更しているといいます。

高橋泰恵さん「コロナ禍で帰省できない方のために、東京でも地元の味を味わっていただこうと」

当初は県外の人向けに地元をPRする商品が中心でしたが、今年は帰省できない人が多いため、郷土料理のせんべい汁など、青森県出身者などが懐かしいと思える商品に、力を入れているということです。