迫りくる“第8波” インフルエンザと“ツインデミック”懸念 医療現場は戦々恐々「第7波以上の惨状に…」
新型コロナウイルスの新規感染者数が全国的に増加しています。10日、政府分科会の尾身会長は、現在の感染状況について「新しい波に入りつつある」との認識を示しました。こうした中、インフルエンザと同時流行する“ツインデミック”も懸念されています。
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10日、東京では新たに7969人の感染を確認しました。6日連続で前の週の感染者数を上回っています。
40代
「怖いですね、やっぱり。飲み会とかは抑えてますかね」
20代
「またかって感じ」
政府分科会の尾身会長は10日、「“新しい波”に入りつつあると」との認識を示しました。
迫りくる“第8波”。
東京・渋谷ではマスクを着用している人たちがいる一方、マスクを着けていない人もいます。屋外でのマスク着用は原則不要となっていますが、日本テレビが開発したAIで“マスク着用率”を解析したところ、約93%の人が着けているという結果に。
マスクをしていなかった女性に話を聞くと、人と近くで会話する時などは「着ける」ということでした。
20代
「(マスク)持ち歩いていて、店内とか人と近くで話す時は着けますね」
マスクを手放せない一因は、やはり、ここ最近の感染拡大です。
30代
「乾燥もするので」
「コロナとインフルとよく分からない感じになりそうなので、予防できることはやっておこうかなと」
乾燥する冬に懸念されているのが、新型コロナとインフルエンザの同時流行です。これに備え、東京・千代田区の大規模接種会場、行幸地下ワクチン接種センターでは、両方のワクチンの同時接種を行っていました。(※65歳以上の高齢者などインフルエンザの定期接種の対象者 ※東京23区と都内すべての市および瑞穂町に在住)
東京・八王子市の病院では、このダブルパンチに大きな不安を抱えていました。
先週末、相次いだという新型コロナ患者の入院。本来は4床しかありませんが、急きょ、臨時のベッドを増やし、5床にして患者を受け入れたというのです。さらに同じ日、追い打ちをかけるようにインフルエンザの患者も入院してきたといいます。
清智会記念病院 横山智仁理事長
「コロナ部屋と個室のインフル部屋を使ってということになると、感染症の部屋が増えていく。(その結果)熱がある方がやはり救急で、いわゆるたらい回し」
病室が足りず、救急患者を受け入れられない危険性があると懸念していました。
清智会記念病院 横山智仁理事長
「もし本当に(コロナとインフルが同時に流行する)“ツインデミック”になった時には、第7波以上の惨状になってしまう。戦々恐々とはしています」
10日、東京都の分析によれば、このままいくと「2週間後には感染者数が倍になる」との指摘もありました。
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8日、9日と過去最多の感染者数を更新していた北海道。旭川市のイタリアンバルを訪ねました。
machibar 原英介さん
「やっぱり痛手ですよね」
戻りつつあった客足が、感染の拡大に伴い減少し、この日は2階が空席となっていました。忘年会シーズンの予約も、まだ全く入っていないといいます。
東京商工リサーチが、先月3日~12日に全国の企業を対象にアンケートを実施した結果、今年、「忘年会や新年会を開かない」と答えた企業は61%でした。
行動制限がない中でも、自粛ムードが続いています。