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マイナカードで“別人の証明書” 最初の判明は3月…なぜ「一時停止」要請まで時間が?

2023年5月10日 1:19
マイナカードで“別人の証明書” 最初の判明は3月…なぜ「一時停止」要請まで時間が?
マイナンバーカードを使ってコンビニで住民票の写しなどを受け取れるサービスで不具合が出たことを受け、河野デジタル相は9日、運営会社にシステムの一時停止を要請したことを明らかにしました。最初は3月に神奈川・横浜市で判明したといいますが、なぜ今回の要請まで時間がかかったのでしょうか。

■別人の証明書が… 運営会社のシステムに“不具合”

有働由美子キャスター
「マイナンバーカードを使ってコンビニの端末で住民票の写しを発行したら、全く別の人の住民票が出てきた…今年3月からこういった事態が相次いで起きていて、河野デジタル相が9日、『大変重大な事故』だとして陳謝しました。住民票には名前や住所、生年月日などの個人情報が載っていますし、このサービスではほかにも戸籍証明書や印鑑登録証明書なども発行できるということです。もし、自分の証明書が誰だか知らない他人の手に渡ったらと思うと、かなり怖いです。何が起きたのでしょうか?」

小野高弘・日本テレビ解説委員国際部デスク
「東京・足立区で今年3月に起きた事例を紹介します。足立区に住むAさんとBさんは、2人ともほぼ同時に別々のコンビニで証明書の発行を申請しました。システムには、それぞれの申請が届いていたはずなのにAさんのところにBさんの証明書が印刷されてしまったのです」

有働キャスター
「なぜ、そのようなことが起こったのでしょうか?」

小野解説委員
「問題はマイナンバーカードではなく、富士通の子会社が運営するシステムの不具合のようです。運営会社の説明によると、『コンビニで証明書を発行する人が増えて、システムに大きな負荷がかかった。それに伴い印刷の処理に遅れが生じた。その遅れによって、設定時間の上限をオーバー。すると強制的に印刷待ちが解除され、別の人の証明書が印刷されてしまった』ということです」

■なぜ「一時停止」要請まで時間がかかった?

有働キャスター
「これが起きたのは3月ということですよね?」

小野解説委員
「経緯を説明します。最初は3月に神奈川・横浜市で発行ミスが起きたことが判明して、運営会社はほかの自治体も総点検しました。その結果、足立区でも3月と4月に発行ミスがあったことが分かりました。ただ、分かったのが4月だったので、そうこうしているうちにゴールデンウイークに入ってしまったといいます」

「その後、川崎市でも判明しました。これだけ相次いだので、9日になって河野デジタル相が、運営会社に一時停止の要請をしたことを明らかにしたわけです。運営会社は不具合が出たプログラムはすでに修正していて、今後はシステムの強化と類似サービスの総点検を行うとしています」

有働キャスター
「大事な個人情報を扱うシステムですし、なぜ『一時停止』要請までにこれだけの時間がかかってしまったのかと思います。落合さんはどうみていますか?」

落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「これは正直、あまりやらないレベルのミスだと思いますね。恐らく、テストが足りなかったか、もしくはそのやり方がよくなったか、時間がなかったか、お金がなかったか、工数が足りなかったか…。当たり前ですが、負荷があっても、エラーがあっても他人の証明書が出ちゃいけないわけです。ただ、そこを責めすぎてもしようがないんで、修正頑張ってくださいと思います」

有働キャスター
「マイナンバーカードを便利に使いたいと思う人たちさえ、不安になってしまうミスなので、基本中の基本をぜひ頑張ってほしいと思います」

(5月9日放送『news zero』より)