“統一教会”会長「心からおわびいたします」 解散命令請求には争う姿勢
政府が解散命令請求を行った、いわゆる“統一教会”が7日に会見を行いました。元信者らに「心からおわびいたします」と話した上で、被害の補償が必要になった場合のため、教団の資産から最大100億円を国に預ける考えを示しました。
◇
“統一教会”日本法人 田中富広会長
「一言見解を述べさせていただきます」
「解散」の文字がちらつく中、会見に臨んだ日本の教団のトップ。世界平和統一家庭連合、いわゆる“統一教会”の田中富広会長です。
“統一教会”日本法人 田中富広会長
「今までつらい思いをされてこられた皆さま方に率直におわびしなければならないと考えております。心からおわびいたします」
会見は、元信者や宗教二世、その家族などへのおわびから始まりました。
安倍元首相の銃撃事件以降、高額献金などの問題が再び浮かび上がった教団。政府は10月、教団に対する解散命令を東京地裁に請求しました。今後、裁判所が解散命令を出すかどうか、判断することになっていますが…
“統一教会”日本法人 田中富広会長
「解散命令請求という文部科学省の措置に関しましては、信教の自由・法の支配の観点から到底受け入れることはできません」
解散命令請求については争っていく姿勢を示しました。
“統一教会”日本法人 田中富広会長
「安倍元首相の事件以来、過去ささげられた献金を返していただけないかとの相談の申し出が多数ございました」
フリップを使い、事件以降、664件の返金に応じ、その総額は44億円にのぼると説明しました。
“統一教会”日本法人 田中富広会長
「当法人の信者の中に社会通念から見て行き過ぎた行動をしてしまったことはあったかもしれません。ただ、それも決して私利私欲を求めて行動したものではなく、ご本人なりに相手のためを思って行ったことと信じています」
信者個人の問題だったかのような発言。これに、記者からは…
――教団の行き過ぎた組織としての行為の責任では?
“統一教会”日本法人 田中富広会長
「教団の行き過ぎた行為というのは、例えばどういうことですか?」
――あくまで現場の個人の説明不足、教団の組織が引き起こしたものではない?
“統一教会”日本法人 田中富広会長
「基本はそういう認識です。組織的にそういう問題を引き起こす体制になっているとは思わないです」
組織としての責任は感じていないようです。
◇
7日、国会では教団をめぐる被害者へのヒアリングが行われていました。母親が1億円以上の献金をしていたという人は…
「会見を見ていて本当に久しぶりに、深いところから怒りがわきあがってくるのを感じました」
元妻が現役信者の橋田達夫さんも…
「同じことを繰り返している彼らには解散命令しかないと本当にきょうも実感として思っています」
今後、解散命令が出された場合、宗教法人格を失うため、税制上の優遇措置が受けられなくなる教団。資産については、海外に移転する考えはないなどと説明しています。
――教団の危機の時に韓鶴子総裁が説明を果たさないのはなぜですか?
“統一教会”日本法人 田中富広会長
「この場で?」
――この場じゃなくても、韓国でもいいのですが?
“統一教会”日本法人 田中富広会長
「まぁ、鶴子総裁は全世界の教団を率いる総裁でもありますので、ここで釈明するような見解を述べる立場でもないと思っていますので」
田中会長は、被害補償が必要になった場合に備え、教団の資産から最大100億円を国に預ける考えを示しています。