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“ドン・ファン”元妻 死因の覚醒剤…証言の“矛盾”を検察側が追及 遺産目当ては「隠してない」

2024年11月11日 21:17
“ドン・ファン”元妻 死因の覚醒剤…証言の“矛盾”を検察側が追及 遺産目当ては「隠してない」

紀州のドン・ファンと呼ばれた男性を殺害した罪に問われている元妻の裁判員裁判で11日、2日目の被告人質問が行われました。「結婚は遺産目当て」と断言した元妻に対し、検察側は死因の覚醒剤について追及しました。

   ◇

「結婚は、遺産目当て」。そう、きっぱりと口にしました。

須藤被告
「遺産目当てと言われていることを隠していないし(野崎)社長本人も『1000万円で結婚してくれ』と言っていた。『遺産をもらってほしい』とも言われていたので、遺産目当てということは、誰にも隠してないです」

自伝によると、交際した女性は4000人、貢いだ額は30億円。スペインの伝説上のプレイボーイになぞらえ、「紀州のドン・ファン」と自ら称していた野崎幸助さん。2018年、急性覚醒剤中毒によって亡くなりました。

元妻の須藤早貴被告は、野崎さんに多量の覚醒剤を摂取させ、殺害した罪などに問われています。

須藤被告(弁護側の被告人質問より)
「社長が亡くなって(野崎さんの)会社が大変になったことは知っていた。『代表がいないのでなってほしい』と言われ、役員報酬を3000万円もらえることになり『え?』となったが、(弁護士に)『法律上問題ない』と言われ、『ありがとうございます』と言ってもらいました」

財産目当ての犯行だと主張する検察側。遺産目当ての結婚と認めたものの、これまで無罪を主張している弁護側。犯行を示す直接的な証拠がない中、11日、検察側が須藤被告の主張に切り込みました。

まずは、野崎さんの死因となった覚醒剤について。

検察側
「野崎さんから覚醒剤という言葉を何回聞いたことがある?」

須藤被告
「初めて会った日も前の女の話を聞いて、その時も」

検察側
「使っているのを見たことは?」

須藤被告
「ない」

これまでの裁判で須藤被告は、事件の2か月ほど前、野崎さんから「覚醒剤を買ってきてくれませんか」と言われ“買って渡した”と証言しています。

検察側
「(覚醒剤を)何のために使うと思った?」

須藤被告
「特に何も思ってなかった。周りに女はいっぱいいるから(性行為)するんだと思っていた。私とはしません」

野崎さんが覚醒剤を日常的に使っていたかのような証言。ここに、検察側が切り込みます。

実は須藤被告、捜査段階の取り調べでは覚醒剤について、「買っていない」「野崎さんが関わっているとも思わなかった」と答えていたというのです。

つまり、法廷で証言した「覚醒剤を買って渡した」という発言と矛盾しているということ。

検察側
「(覚醒剤を)買って渡したと(取り調べで)言えばよかったのでは?」

これに須藤被告は…

須藤被告
「警察にそう言ったところで、信じてもらえると思わなかった。怖くて言えなかった」

言葉に詰まったり、沈黙したりする場面もあった須藤被告。

検察側
「野崎さんは、なんで死んだと思っている?」

須藤被告
「友人にも『死にたい死にたい』と言ってた。うつっぽくなっていたから自殺とか(覚醒剤の)量を間違えてたのかな?とか。あと、他殺も最初は考えたが、有識者の話を聞くとそれはないんだろうと」

検察側は、須藤被告が事件前、「老人 完全犯罪」「衝撃 驚くべき完全犯罪」など、「完全犯罪」という言葉を何度も検索していたと指摘。

これについては…

須藤被告(弁護側の被告人質問より)
「昔から殺人事件をよく見ていた。グロテスクなもの・不気味なものを調べるのが好きでした。未解決事件・サイコパス事件、完全犯罪が好きで調べていただけ」

弁護側
「老人死亡については?」

須藤被告
「直前に見た映画が影響している」

須藤被告が口にした言葉を、司法はどう判断するのか。被告人質問は15日も行われ、12月12日に判決が言い渡される予定です。

最終更新日:2024年11月11日 21:17
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