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関西でも緊急事態宣言へ 全国への拡大は?

2021年1月12日 21:13
関西でも緊急事態宣言へ 全国への拡大は?

■東京の感染者は?
東京都で12日に新たに確認された感染者は970人。前日は1219人で、8日ぶりに1000人を下回りました。重症者は144人で前日よりも13人増え、過去最多となりました。

■全国の感染者は?
1月11日の全国の感染者数は4876人。1週間前の1月4日は3322人だったので、1500人以上上回って月曜日としては過去最多でした。
こうした中、危機感が強まっているのが関西圏です。

■菅首相、大阪・京都・兵庫を緊急事態宣言の対象に追加する方針
菅首相は12日、自民党の役員会で大阪・京都・兵庫を緊急事態宣言の対象に追加する方針を伝えました。政府は13日にも宣言を出す方針で、宣言の期間は2月7日までと、東京など1都3県と終わりを合わせる形になりそうです。

今のところ、対象を全国に広げる事態にはなっていませんが、愛知県の大村知事は次のように述べました。

愛知県大村知事
「国の緊急事態宣言の対象区域として愛知と岐阜をセットで国の方に要請という形で伝えていきたいと思っています」

大村知事はまた、緊急事態宣言の対象になった場合、営業時間の短縮要請をすべての飲食店に拡大し、国の方針に合わせて時短要請を午後8時にすること、協力金を6万円にすることを明らかにしています。これを受けて政府は、専門家の意見も聞きながら慎重に検討する方針です。

■医療機関や高齢者施設など優先に
すでに緊急事態宣言が出ている神奈川県では、業務が膨大になっている保健所の負担を減らすため、「濃厚接触者の特定」を絞り込むことを決めました。
これまでは原則的に「すべての感染者」に対し、細かく行動歴を聞いて「濃厚接触者」を特定し、感染の可能性を伝えたり、クラスターの解明につなげたりしてきましたが、これがなかなか大変な作業です。聞き取りでは、誰と会ったのか?何分話したのか?距離はどのくらいでマスクはしていたのか?などと聞いていくのですが、記憶が曖昧だったり、正直に話してくれる人もいれば何も話してくれない人もいたりして、一人の聞き取りに丸1日かかることもあるといいます。そこで、これからは対象者を「感染者全員」からリスクの高い「医療機関や高齢者施設などを優先」して絞り込むことにしました。

神奈川県はいま、1日に600人を超える感染者が毎日出ていて、市中感染、つまり、街中で感染が広がっている状況では濃厚接触者を1人1人追うことに以前ほど意味がなくなっているため、この業務を減らすことで、「新たな感染者の対応」にも人を回したいということです。

■新たな感染者への対応とは?
新たな感染者に対しては、入院か宿泊・自宅療養かを判断したり、自宅療養者の健康観察をしたりしています。しかし、毎日の健康チェック時に電話に出ない人もいて、連絡も取れないときは警察と相談して療養者の家に立ち入るケースもあり、労力のかかる作業です。

■「不特定多数」を対象にしたPCR検査を3月にも開始へ
市中感染が広がる中、その感染の広がりを把握するため、政府は3月にも「不特定多数」を対象にしたPCR検査を始める方針で、症状のない人にも幅広く実施するということです。都市部の繁華街や空港など多くの人が集まる場所で、唾液などの簡単な方法で、無料で検査します。
ランダムに検査することで、迅速な感染対策につなげる狙いがあります。

一方、治療薬に関しても新たな情報が出てきました。

■新型コロナの重症患者の死亡リスクを、およそ24%減少させる
日本で開発された「アクテムラ」という薬について、イギリスのジョンソン首相が7日、新型コロナの「重症患者の死亡リスクを、およそ24%減少させる」と発表しました。集中治療室に入る期間を最大で10日間、短縮させることもわかり、医療の負担軽減に貢献することが期待されています。

このアクテムラは、「関節リウマチ」などの治療薬です。関節リウマチは、免疫の異常で炎症反応が起こって関節の腫れや痛みにつながるということで、アクテムラはその炎症を抑える作用があります。新型コロナも免疫が暴走して重症化することがわかってきたため、アクテムラが効くのではないかということです。日本でも、2020年4月からコロナの重症患者を対象に臨床試験中です。

この1年で医療の現場でも様々な薬や対処法が分かってきました。しかし、依然として、これといった特効薬があるわけではないので、自分自身でしっかりと感染対策を続けていきましょう。

(2021年1月12日16時ごろ news every.「ナゼナニっ?」より)