第164回直木賞 全候補作を紹介
最も優秀なエンターテインメント作品に贈られる直木賞の候補には6作品が選出。“作家全員が初めてのノミネート”となったのは25年ぶりになります。
候補作品は以下
■「汚れた手をそこで拭かない」芦沢央(あしざわ・よう/36歳)■
小学校のプールの水の流失、エアコンをつけていなかった老人の熱中症死など、お金にまつわる五編のミステリーが収められています。
■「八月の銀の雪」伊与原新(いよはら・しん/48歳)■
就職活動に悩む大学生とベトナム人のコンビニ店員の交流を描いた「八月の銀の雪」など登場人物の傷ついた心を科学によって癒やしていく5つの作品が収められた短編集です。
■「オルタネート」加藤シゲアキ(かとう・しげあき/33歳)■
人気グループNEWSのメンバーで、2012年に作家デビューした加藤さんの最新作。今回初めて直木賞にノミネートされ、驚くと同時に“継続は力なり”ということを実感したといいます。作品は高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」を題材に恋や友情など、SNSに翻弄される若者たちの姿を描いた青春群像劇です。
■「心淋し川」西條奈加(さいじょう・なか/56歳)■
舞台は江戸の片隅、小さな川沿いに建ち並ぶ長屋。そこに住む住人たちがもがきながらも懸命に生きる姿を描いた時代小説です。
■「インビジブル」坂上泉(さかがみ・いずみ/30歳)■
舞台は戦後の大阪。連続猟奇殺人事件の解決に挑むたたき上げとエリートの刑事コンビの活躍と戦争に翻弄された人々の癒えない傷を描いた歴史エンターテインメントです。
■「アンダードッグス」長浦京(ながうら・きょう/53歳)■
舞台は中国返還直前の香港。主人公が自身の再起をかけて、世界の諜報機関を敵に回しながらも国家機密の奪取に挑むミステリー作品です。
第164回直木三十五賞の結果は20日の夕方頃に発表される予定です。