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警察が“怖すぎポスター”その狙いは?

2021年2月19日 13:03
警察が“怖すぎポスター”その狙いは?

全身緑色の男がまっすぐにこちらを見つめ、じわりじわりと近寄ってくる。「あなたに忍び寄る悪魔の電話」と書かれたこのポスター。実はこれ、千葉県警が作成したポスターなんです。おどろおどろしさすら感じる“怖すぎる”ポスターに込めた狙いとは…。

■イラストを手がけたのはホラー漫画界の“重鎮”

“怖すぎる”ポスターのイラストを手がけたのは漫画家の日野日出志さん(74)。「地獄変」や「蔵六の奇病」など数多くのホラー漫画を手がけ、日本だけでなく海外にも多くのファンを持つホラー漫画界の重鎮です。

独特なタッチで描かれた“恐怖”を表現する日野さんのイラスト。今回、千葉県警は一度に数千万円もの大金を失うこともある特殊詐欺の“怖さ”をリアルに表現できるのではないかとオファーしたそうです。“異色のコラボ”が一目見たら忘れない“最恐”ポスターを生み出しました。

■年間20億円以上…減らない被害

なぜ“恐怖”を前面に打ち出したポスターを作成したのか。そこには、後をたたない特殊詐欺の被害への千葉県警の危機感がありました。去年の千葉県内の特殊詐欺件数は約1200件、被害金額は24億円以上に上っています。年々、減少傾向ではあるものの直近3年間は20億円以上の被害が続いています。

県警の担当者は「年金支給日に啓発活動をしてこれまでもポスターを作り広報してきたが、期待していたほどの効果が得られなかった。幅広い世代にこのポスターを見ていただき、家族の中で話題にしてもらい、少しでも詐欺の被害を減らしていければ」と話します。

■最近は“ワクチン”かたる詐欺も

最近は、「新型コロナウイルスのワクチンが接種できるようになりました。後日返還するので10万円を振り込んで下さい」などとワクチン接種をかたった詐欺被害も相次いでいるそうです。

世相を反映しながら年々巧妙化する特殊詐欺の手口。千葉県警は被害に遭わないために、1:自宅の固定電話機を常に留守番電話設定にして犯人と話さない。2:万が一、電話に出てしまったら、少しでも不審に感じたらいったん電話を切って警察に通報する。などの対策を呼びかけています。

「あなたに忍び寄る悪魔の電話」“最恐”のポスターをきっかけに家族と詐欺の“恐怖”について話し合ってみてはいかがでしょうか?