“物価の優等生”高値にオムライスも影響が
私たちの食卓に欠かせないタマゴ。「物価の優等生」とも呼ばれ、その価格も魅力の1つです。しかし、そのタマゴの値段が上がり続け、10か月ぶりの高値になっているというのです。どんな背景があるのでしょうか。
短時間で一気に焼き上げ、中は半熟とろとろに。ケチャップライスの上で開けばふわふわとろとろ!オムライスの完成です。
オムライス専門店「AWA AWA」では、コロナ禍でランチとテイクアウトのみの営業ですが、それでも1日200個ほどタマゴを使うといいます。
AWA AWA・雛倉拓史オーナー「うちで使っているタマゴのケースなんですけど、1ケースで1月頭から今の段階で650円値上がりしています」
しかし、欠かすことのできない、タマゴの仕入れ値が3割ほど上がったといいます。
雛倉拓史オーナー「こんなに高騰することはない。厳しいところではあるんですけども、今コロナ禍で来ていただいているお客様に、そのまま(値上がりした)値段を乗せてということはとてもできないので、店側で我慢しながら使うしかないというような状況」
飲食店だけでなく身近にあるスーパーでも。今月に入り170円だったタマゴの値段は209円と、およそ40円値上げ。
信濃屋食品営業本部長・鈴木誠さん「仕入れの方がもう50円、60円上がっている商品ですので」
客からは。
客「高いわね。前は安かったけど今は200円以上」「最近は200円超えているなと。値段がそんなに高くなったり、下がったりというものではないと思っていたので」
「物価の優等生」ともいわれるタマゴ。今年初め、一般的なMサイズの市場の卸売価格は、1キロでおよそ120円でしたが相場は上がり続け、すでに200円以上に。去年4月以来、10か月ぶりの高値になっています。
食卓に欠かせないタマゴに何が起きているのでしょうか。生産量全国1位の茨城県の養鶏場に話を聞いてみると。
美野里ポートリー・額賀茂樹社長「ここのところ千葉県はじめ、全国的にも約1000万羽近く、鳥がインフルエンザで殺処分された。今までと比べれば(タマゴを産むニワトリが)少なくなっている」
「鳥インフルエンザ」の流行です。去年11月、香川県の養鶏場で確認されたのを皮切りに、今月2日には茨城県でも確認され、およそ84万羽のニワトリが殺処分されました。
さらに、25日も新たに宮崎県で、およそ3万9000羽の殺処分が進められるなど、これまでに21道府県で確認されています。さらに。
額賀茂樹社長「飼料が前年と比較すると(1tあたり)5000円以上上がっているので。今の値上がりは本当に微々たるもので、単価がもっと上がってもいいと思います」
月に70トン使用する、えさとなるトウモロコシも不作などで高値に。さらに価格が上がらないと、経営も厳しくなってくると話します。このタマゴの値上げ。実はもっと高値になっていた可能性もあったといいます。
タマゴの価格高騰について、千葉の卸売会社からは「コロナの影響で飲食店からの需要がすごく減っていて、このくらいの値上がりで済んだ。飲食店からの需要があったらもっと値上がりしている」との声があります。
鶏卵大手卸売業者によりますと、今後、緊急事態宣言が明けた場合、飲食店などの需要増加に伴い、さらに価格が高騰する可能性があるということです。