マスクで口臭が…高価格のオーラルケア人気
今までは家族で一緒に使っていた歯磨き粉を、1人一つずつにしたというお宅もあるようです。家族内でも感染防止の一環ということのようですが、最近は歯ブラシや歯磨き粉に、付加価値を求める傾向があり、値段が高い商品の人気も高まっています。
都内のドラッグストア。近年、着実に売り上げを伸ばしているというのが、歯ブラシや歯磨き粉など“歯を守るための”商品、オーラルケア商品です。
コロナ禍の今、実はその価格帯にある“トレンド”が…。
店長「“高価格帯”のものが今、売れてますね。マスクをつける機会が多いので、自分の口臭が気になるという方が多いのかと思います」
あるオーラルケア市場の調査によりますと、去年、199円以下の低価格帯の歯磨き粉の売り上げは下がる一方、500円以上の高価格帯は伸びる結果に。
口臭予防や殺菌作用など、歯磨き粉に“プレミアム感”を求める人が増えているのです。さらに、「歯ブラシ」にも“プレミアム感”を求める傾向があります。
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P&Gでは、3万円台の高価格帯の電動歯ブラシが、去年と比べ倍近く売れているというのです。
去年10月に販売した新商品は、従来の丸型回転に加え、ブラシの毛1本1本を振動させる新テクノロジーを搭載し、ブランド史上最も高い歯垢(しこう)除去力を実現したといいます。
アプリを通じて、AIが磨き残しを教えてくれる“最先端”の機能もついています。
人気のワケは――
P&Gオーラルケアアジア部長 シニアディレクター・大川正樹さん「健康長寿というか、高齢化というところとオーラルヘルスは、切っても切れない関係。(コロナ禍で)より高性能なもののニーズが加速したというふうにとらえている」
65歳から69歳の高齢者の残っている歯の数は、倍近くに増えたという調査もあります。
もともと健康のためには「歯が大事」という意識が高い上、コロナ禍でより健康志向が高まったことが、高額商品の売り上げ増につながっているといいます。
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他にも小林製薬では、歯間清掃関連商品の去年の売り上げは、前年比105%と好調。さらに花王は去年3月、歯の集中ケアパックを発売。
花王パーソナルヘルス事業部・宮橋結実さん「薄いフィルム状のシートになっていまして、シートを歯に直接貼っていただいて」
コロナ禍、自宅でできる“おこもり美容”にマッチし、目標のおよそ1.6倍の売り上げだといいます。
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“オーラルケア商品”好調のワケは、実は他にもあります。
買い物客「なるべく歯医者さんにお世話になりたくないので、虫歯とかに気をつけるようになりました」
“コロナ禍”で歯科医にかかることをためらい、自宅でケアをしたいという意識が高まっているのです。
実際、都内の歯科クリニックでは――
ブランシェ・伊藤聖子院長「(治療中に)口の中を長く開けることによって、無防備な状態が続くので、(新型コロナの)感染リスクが高まるんじゃないかと懸念されていた方も、最初は多かった」
中には虫歯ができているのに放置してしまう人も…。感染対策をとっているため、異常を感じたらおそれずに通院してほしいと話しています。