全国初判決 同性婚認めないのは違憲と判断
同性婚をめぐり、全国初の判決が下されました。同性婚を認めないのは憲法違反として、同性のカップルが国に損害賠償を求めている裁判で、札幌地裁は、原告の訴えを退けたものの、同性婚を認めないのは違憲と判断しました。
17日、札幌地裁前では、原告団が「違憲判決 結婚の平等へ大きな一歩」と書かれた幕を掲げました。
原告からは喜びの声が――
原告・Eさん「今の率直な気持ちは、もう夢のようです」
原告・国見亮佑さん(仮名)「涙が止まりませんでした。本当にいい判決を出してくださったと思います」
北海道の同性カップル3組が、国を訴えていた今回の裁判。日本で同性どうしの結婚が認められていないのは、「憲法上で保障されている『婚姻の自由』や『法の下の平等』に違反する」として、国に損害賠償を求めていました。
原告・Eさん「パートナーが料理を作ってくれる日は、帰るのが楽しみです」
原告・Cさん「得意料理なんだろう。ハンバーグとかですかね」
20代のEさんと、30代のCさん。札幌に住む原告の女性カップルです。
2人は交際して13年。現在、同居していますが、法律上は「他人」のままです。2019年、区役所に婚姻届を提出するも、結果は「不受理」。
札幌市のパートナーシップ宣誓制度を利用していますが、「法律上の結婚」ができないことで、所得税の配偶者控除などの社会保障などが受けられていません。
そして迎えた17日の判決。札幌地裁は、同性カップルが、結婚によって得られる法的な利益を受けられないのは、憲法14条の「法の下の平等」に違反していると判断しました。一方、損害賠償の訴えなどは退けました。
原告・Eさん「異性愛のカップルと全く同じ生活をしていて、国がそれ(同性婚)を認めてくれていない。明らかな差別だと思っていました。(今回の判決は)喜ばしい、うれしい気持ちでいっぱいです」
別の同性カップルは、判決をどう受け止めたのでしょうか。都内で同性パートナーと暮らす女性は、「違憲判決が出て、涙があふれてきた」「公的に承認された気持ちになりました」「全国の裁判で違憲判決が出て、国が動いて法律が変わるのを期待しています」などと話しました。
全国で同様の裁判が行われる中、初めて下された“違憲”判断。今後の同性婚をめぐる議論にも影響を与える可能性があります。