横田早紀江さん「心強いお言葉」期待感
「非常に私たちにとっては大きな力になりましたので、感動いたしました」
こう話すのは、北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさんの母・横田早紀江さん(85)です。
早紀江さんらは、今月15日、アメリカのブリンケン国務長官宛てに、「拉致問題解決のためにアメリカの支援を今後も続けてほしい」とする書簡を送っていました。
その書簡を受けて、ブリンケン国務長官はNNNの単独インタビューで、拉致問題について「機会があれば北朝鮮に提起する」と明言したのです。
昨年6月に夫・滋さんが亡くなって9か月がたち、久しぶりに飛び込んできたうれしいニュース。
「はっきりとしたお言葉をいただいたことは、本当に、日本中にとって、応援してくださっている方々にとっても、非常にうれしい感動的な心強いお言葉だったなと思って喜んでいます」
時折、笑顔を見せながら弾むような声でインタビューに応じてくれた早紀江さん。
コロナ禍で思うように活動できない時期が続き、焦る気持ちが募っていた中でのブリンケン国務長官の言葉は、まるで一筋の希望が差し込んだようでした。
この日、「めぐみちゃんに見せてあげたいと思って撮っているの」と見せてくれたのは、自宅の窓から見える夕日や富士山の写真。窓際にはいつもカメラを置き、毎日のように窓から見える景色を写しているといいます。
“娘に会いたい”。その一心で今なお闘い続けている早紀江さんは先月85歳に。
「天国のお父さんに、私のことまだ呼ばないでねって言っているの」
ふとした瞬間に早紀江さんから出てきた言葉には、“時間がない”という焦りがにじんでいました。
「菅総理も大変だと思いますけど、今のこの時期に何らかのいい動きがあることを願っております」
(社会部・拉致問題担当 高和深香記者)