絶対消えないヒミツとは「希望の灯」全国に
いよいよ25日、東京オリンピックの聖火リレーが福島県からスタートします。およそ1万人のランナーによって全国に「希望の灯」をつなぐため、今回、特別につくられたトーチ。その制作の舞台裏を取材しました。
なでしこジャパン元監督・佐々木則夫氏「一丸となって東京五輪を成功させる。そのスタートの一助になれることに幸せを感じております」
24日、意気込みを語ったのは、スタートランナーを務めるサッカー女子ワールドカップで優勝した、「なでしこジャパン」前監督の佐々木則夫氏。当時の優勝メンバーで走る予定でしたが、澤穂希さんは体調不良から参加を断念すると発表。丸山桂里奈さんなど16人で走ります。
聖火リレーに欠かせないのが、ランナーがつなぐトーチです。私たちがたずねたのは、トーチのデザインを手がけた吉岡徳仁さん。見せてくれたのは。
トーチをデザイン・吉岡徳仁さん「福島県の南相馬の小学校に行った。そのときに子供たちと桜の絵を描く授業をした」
これは当時、被災地の小学2年生が描いた桜の花。トーチのデザインの出発点になったといいます。
吉岡徳仁さん「桜が花を開いて日本を縦断するような聖火リレーができたら素晴らしいんじゃないか」
吉岡さんのこだわりは、桜形のトーチで燃える「桜の炎」。台風並みの暴風雨でも「絶対に消えない聖火」をどうやって作り上げたのでしょうか。
愛知県の中小企業が開発したわずか直径3センチの装置に秘密がありました!
新富士バーナー・山本宏専務「観客のみなさんから見える赤い炎、 聖火以外にもう1つの燃焼が中にある」
外側の炎を消してみると中央部分が燃えているのがわかります。この中央部分、プラチナ金属をおよそ1500度までの高温に保っています。炎を出すことなく燃焼し続け、火が消えない仕組みになっているそうです。
いったいどれほどの雨風に耐えられるのか?試してみると。バケツをひっくりかえしたといわれるくらいの雨の量を再現しても、聖火は全く消える気配はありません。
どしゃぶりの強い雨でも燃え続ける炎。よく見ると、高温の中央部分が雨粒をはじいているのがわかります。
さらに!前を向いて立っているのも難しい台風並みの強い風が吹いても!火が消えることはありませんでした。
山本宏専務「無事ランナーのみなさんの手で聖火がつながればいいかなと思います」
1年遅れで、ようやくはじまる聖火リレー。ただ、感染症対策から沿道での観覧は、家の近くで声を出さずに応援するよう呼びかけられています。それでも楽しんでもらおうと作られたのが。
日本コカ・コーラ 渡邉和史統括部長「47都道府県別にすべて作成しました。特に、こちらはまさにグランドスタートを迎える福島ですね」
都道府県の名前が入ったマフラータオル。聖火リレーのスポンサーが作ったもので、沿道の人などに配り、応援に役立ててもらいたいといいます。
たくさんの思いをのせた聖火。いよいよ25日、走り出します。