沖縄の観光客増加…苦渋の観光アピール
再拡大の兆しが強まる新型コロナウイルス。25日も感染者が過去最多を更新する自治体が相次いでいます。
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25日、サッカー日本代表のユニホームを着て、横浜市のスタジアムへと向かう人々。25日夜、国内で1年4か月ぶりとなる、代表戦が行われるのです。
試合観戦する人「声は出さずに拍手で、大きな拍手で応援したいと思います」
観客を1万人に制限するなど、感染対策をしての開催。
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一方、各地では感染者が過去最多となるところが相次ぎました。
山形では25日、これまでの最多となる49人の感染を確認。
さらに、愛媛県でも過去最多となる59人を確認し、25日から、特別警戒期間に入りました。県は松山市内の接待を伴う飲食店の利用を控えることなどを要請し、松山市内の飲食店の時短営業を来週中にも要請する方針です。
25日、新たに394人の感染を確認した東京都。先週の木曜日(18日)より、71人増加しました。
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そして、春の観光シーズンを迎えた沖縄。25日の感染者は77人と、独自の宣言を解除した先月末の15人から大幅に増加しています。国際通りでは、観光客の姿がありました。
東京から来た大学生「(卒業前に)最後にみんなでちょっと遊ぼうかなみたいな」
東京から来た専門学生「マスクしてアルコール消毒して、気をつけながら旅行しました」
実際に今月5日の様子と比べると、人出はやや戻りつつある様子。
商店街によりますと、緊急事態宣言が解除される前の、先週後半から、首都圏の観光客が増えているといいます。
去年4月に急増したときには、県外からの渡航自粛を強く訴えていた沖縄。
しかし、25日朝の新聞では。観光客が安心して旅するための取り組みを紹介する広告を掲載していました。そのワケは―。
沖縄県・玉城知事「県経済のダメージ回復をまずは図っていくという必要があります」
沖縄県によりますと、去年1年間に県外から訪れた観光客は前年に比べ6割以上減少。経済損失もおよそ6482億円と推計されているのです。
こうした中、国際通りではコロナの影響で49店舗が閉店。ただ、入れ替わりで36店舗が新たにオープンし、経済の回復に期待を寄せています。
那覇市国際通り商店街振興組合連合会・石坂彰啓事務局長「経済が厳しい状況が続いていますので、観光客にはできるだけ早く戻ってきていただきたいのが率直な思いですね」
しかし、感染対策と経済回復の両立には複雑な声も。
フリーゾーン・儀間巧エリアマネージャー「うれしい反面ちょっと心配というか、沖縄もまた(感染者が)増え始めているので。怖がっているスタッフもたくさんいるので、家族もいるからこの辺が難しいかなと」
国際通りにほど近い「ホテルアクアチッタナハ by WBF」。沖縄の町並みを見渡せるプールが魅力の1つ。感染対策を徹底しているこのホテルでも、首都圏からの観光客が増えているといいます。
ホテルアクアチッタナハ by WBF・山根隆哉総支配人「関東圏のお客様が全体の4割ほど。多くが東京のお客様でホテルがほぼ成り立っている状況です。非常に増えてありがたいかぎりです」
ただ、ここでも―。
山根隆哉総支配人「コロナがまた増え始めているので、今後どうなるのかというところですね」
地域経済が大打撃を受ける中、難しい選択をせまられています。