「引き下げ」で変わる成人式 参加者の大半“制服姿”も 「自治体によって名称が違うのが…」
来週月曜日、9日は「成人の日」です。この3連休に各地で“成人の式典”が開催されます。しかし、去年から成人年齢が18歳に引き下げられ、現在の18歳と19歳も“成人”となります。こうした中で見られる式典の変化などを取材しました。
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「成人式を覚えていますか?」ーーー。街で“大人”のみなさんに聞いてみました。
30代
「中学とか高校時代とちょっと変わった感じで会えたの、楽しかったです」
40代
「当時は20歳が成人だったので、“やっとお酒飲める”みたいな感じで、飲んだりして楽しかった思い出があります」
多くの人の心に“二十歳の思い出”として残る成人式ですが、今年は各地で変化が見られています。
はとバスは6日、「成人の日」を前に、20歳を迎えるバスガイドなどを祝う、その名も「二十歳を祝う会」を開きました。例年「成人式」として、20歳の節目を祝っていましたが、今年は名称を変更しました。
しかし、まだなじみがないようで、あるバスガイドが「今年から『“成人”を祝う会』という名前が変わりましたが…」と思わず言うと、隣のバスガイドがすかさず「“二十歳”を祝う会」と訂正する場面もありました。
名称が変わった理由は、去年4月に成人年齢が「18歳」に引き下げられたためだといいます。
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全国のほとんどの自治体でもこれまで通り、20歳を対象に式典を開催し、“成人式”の名称を変更します。例えば、熊本・南阿蘇村は、名称を「二十歳の誓い」に。そして例年、全国最大規模の成人式を行う神奈川・横浜市は、今年から「二十歳(はたち)の市民を祝うつどい」に変更しました。
こうした変化に、横浜市にある着物のレンタルも行う呉服店では、去年まで必要なかった“一手間”がかかるようになったといいます。
いわきや 4代目女将・我妻あけみさん
「以前でしたら『成人式』という表記だったが、自治体によって名称が違うのが、私たちも混乱していて…印刷物作るのに大変なところです」
さらに、客からは、戸惑いの声も多く上がっているといいます。
いわきや 4代目女将・我妻あけみさん
「お母さま方が『どういうふうに』『いつ着物を決めて』『いつ写真撮って』『どうしたらいいんだろう』とご相談をたくさん受けています」
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一方で、18歳を対象に“成人式”を行う自治体もあります。
宮崎・美郷町は成人式を去年8月15日に実施。参加者のほとんどが制服姿でした。18歳を対象にする背景にあるのが、「成人としての責任を18歳から自覚してほしい」からだといいます。
成人年齢の引き下げに伴い18歳から親の同意がなくても、クレジットカードの作成や携帯電話の契約、一人暮らしの部屋を借りることなどが可能になります。
一方で、喫煙や飲酒、競馬などの公営ギャンブルはこれまで通り20歳になるまでは禁止です。
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去年4月に成人年齢が18歳になったことで、三重・伊賀市では、今年ならではの苦労があるといいます。
伊賀市教育委員会・生涯学習課 高見有紀係長
「『20歳の会議』もあり、『19歳の会議』もあり、『18歳の会議』も定期的にしているので…」
なんと、今年5月までの間に3学年分の“成人式”を開催するのです。(※20歳の成人式:1月8日、19歳の成人式:3月19日、18歳の成人式:5月4日)
18歳の成人式に参加する市民からは、「みんなで集まってお酒を飲んだりする場が、18歳だとなくなってしまう」との声が聞かれました。
こうした声を把握した上で伊賀市は、法律上、大人になる18歳というタイミングで、「成人としての責任を伝える場」として、18歳での成人式開催を決めたということです。また、来年以降は18歳の成人式のみ行い、時期はゴールデンウイークを予定しているということです。