“ゆるベジ”の味方 ヘルシーメニュー進化
自粛生活の中で、健康も気になるけど、我慢せず「がっつり食べたい」という人も多いのではないでしょうか。こうした中、“ヘルシーさ”を売りに、おいしさも満足感も両立したメニューが続々登場しています。
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東京・渋谷に先月オープンしたカフェ「2foods」。スイーツだけでなくカレーやラーメンなどボリュームのあるメニューもそろっています。さらに、あるヒミツも――
TWO・東義和CEO「相反するヘルシーとジャンクが合わさったようなコンセプトをもっている」
実は肉や卵を一切使わずに、植物性の食材だけを使って食べ応えのある料理を提供するのがコンセプト。
店おすすめの卵を使わない「卵サンド」。黄身はカボチャ、白身は豆腐で卵そっくりに作られています。
後呂有紗アナウンサー「これは言われなかったら気づかないかも知れません。黄身のホロホロとした部分と、白身の少し弾力のあるところと、食感の違いまで再現されています」
味と食感にこだわるのはもちろん、手ごろな価格設定にして、彩りなど見た目の美しさも工夫したといいます。
TWO・東義和CEO「こんなにおいしくて健康な素材を使っているんだ、という声を聞くことが非常に多い」
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東京・目黒区の和食レストラン「菜道」。動物性の食材を一切使わないレストランとして専門サイトで“世界一”の評価を得た店です。
この日、訪れていたのは魚アレルギーだという女性。
女性「うわあ、すごーい!生まれて初めての鰻重だ」
これまで一度も鰻(うなぎ)を口にしたことがないといいますが、女性が頼んだのはこんがりと焼かれた鰻…ではなく、豆腐と根菜で作った「鰻重」です。
女性「かりっと、ふわっと、鰻ってこうなんだと今初めて知った」
女性は初めての食感に笑顔を見せました。
この店のもうひとつの人気メニューが「カツ重」です。揚げたてサクサク、野菜のカツにスパイシーなソースをかけた一品。
後呂有紗アナウンサー「う~ん、お肉ですね。しっかりとかみ応えもあるんですが、とてもやわらかくて、お肉じゃないとは思えない」
菜道・楠本勝三シェフ「精進料理がベースで、現代版にアレンジといいますか、味の膨らみを厚くもたせたり、ボリューム感を重視した」
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健康志向などを背景に、時々は肉や魚を抜いてベジタリアンの食事をする“ゆるベジタリアン”が増えているといいます。
おうちで“ゆるベジタリアン”な生活をする強い味方となるのが、大豆で作った代替肉、大豆ミート。スーパーなどでも取り扱いが増加しています。
料理レシピの動画配信サイトでも、大豆ミートを使ったレシピが若い女性を中心に人気になっているといいます。
中でも人気なのが韓国料理、ヤンニョムチキン風のレシピ。大豆ミートでおいしく作るコツは――
クラシルシェフ・真木彩那「しっかりと下味をつけることで大豆ミートの独特な香りが和らぐ」
少しクセがあるという大豆ミート。下味をしっかりつけることがポイントです。
衣をつけ、揚げ焼きにした後、コチュジャンなどで作った甘辛いタレであえればヤンニョムチキン風料理の完成です。
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大豆ミートそのものも、おいしく進化しています。
その製法とは――
DAIZ研究開発部長・落合孝次取締役「とても高い温度で酸素が全然ない。そういう状況で発芽させてあげると“うま味”成分のアミノ酸が爆発的に増えてくる」
一般的な大豆ミートは油をしぼった後の大豆を原料にしていますが、こちらの工場では高温で発芽させた大豆を丸ごと使用することで“うま味”の増した大豆ミートになるといいます。
さらに、加工の方法を変えることで牛肉、豚肉などの食感の違いが再現できるようになります。
DAIZ研究開発部長・落合孝次取締役「とっておきのアイテムなんですけど、今開発中の大豆ミートで作ったツナです」
今回、特別に見せてもらった試作品は、食感がツナの繊維そのもので、かめばかむほど“うま味”が出てきます。
実はこの“ツナ”、大豆ミートを使った「ほぐしチキン」の開発中にたまたまできた、いわば失敗作がきっかけだといいます。
店でも自宅でも食の選択肢はさらに広がりそうです。