沖縄で梅雨入り発表 沖縄の梅雨の特徴は?
5月5日に沖縄地方の梅雨入りが発表になりました。今年の梅雨入りは平年より5日早く、去年より11日早くなりました。沖縄の梅雨の特徴と注意点は?
◇ ◇ ◇
沖縄の梅雨は本州の梅雨に比べると約1か月早く、平年の梅雨入りは5月10日頃、梅雨明けは6月21日頃です。沖縄地方では、梅雨の時期のことを「スーマン(小満)ボース(芒種)」と呼ぶこともありますが、これは、二十四節気の「小満」と「芒種」の時期にあたることによります。
■沖縄の梅雨の特徴
沖縄の梅雨は、シトシトと降る関東や東北の梅雨とは雰囲気が違います。梅雨寒にはなりませんし、降り方も熱帯的でザーザーと降ります。沖縄付近の梅雨前線は、北側の暖かく乾いた空気と、南側の暖かく湿った空気の境界にできます。太平洋高気圧をまわって、蒸し暑い空気がどっと流れ込んでくると、梅雨前線の活動が活発となって、雨が激しくなることがあります。
■大雨の降りやすい条件
沖縄における梅雨の大雨にはいくつかのパターンがあります。
1.梅雨前線に向かって太平洋高気圧から暖かく湿った空気が大量に流入する場合
2.梅雨前線に台風が接近する場合
3.梅雨前線上に低気圧が発生する場合
2006年の5月下旬から6月中旬にかけては、梅雨前線が沖縄本島近海で停滞し、中城村や那覇市では大雨と長雨の影響も重なって大規模な土砂災害が発生しました。
また、日本の最南端に位置している沖縄は、台風の影響を受けるシーズンも早く、1951年から2020年までの統計を見ると、5月から6月の2か月間で、平均で1個、多い年で3個から4個の台風が接近します。2011年5月は台風1号、2号が相次いで沖縄に接近し、暴風による塩害などで本格的な収穫時期に入っていた葉タバコやマンゴー、ゴーヤーなど農作物に大きな被害が出ました。
5月というと本州付近ではすがすがしい季節、過ごしやすい天候というイメージがありますが、沖縄では気象災害の発生しやすいシーズンのスタートとなりますので、注意が必要です。一方で、大きな川のない沖縄の島々は、梅雨の雨が貴重な水資源です。梅雨の雨が降らなくても困るのです。