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通勤時間に渋滞…今年登場「賢い踏切」とは

2021年5月10日 21:04
通勤時間に渋滞…今年登場「賢い踏切」とは

先月、国土交通省は「改良すべき踏切」を全国で93か所指定しました。「改良すべき踏切」とは、どれほど危険なのでしょうか。また、少しでも危険を減らそうと、今年「賢い踏切」が新たに登場しました。一体どのような仕組みなのでしょうか。

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朝の通勤時間帯。京王線・柴崎駅近くの線路が2本ある踏切で起きていたのは、人や車の渋滞。そのワケはやはり。

通勤で踏切通る人「開かないですね。タイミングによっては 結構開かなくて困ります」

なかなか開かない踏切。定点カメラを置いてみると、朝7時半から1時間のあいだで、踏切が閉まっていたのは、およそ47分、開いていたのはわずか13分という結果に。

ようやく踏切があきましたが、すぐに警報機が鳴りました。2、3秒ですぐに閉まる踏切。さらに、走って踏切を渡っている人がいたり、遮断棒をくぐるようにして渡っている人もいます。開いたと思ってもすぐ警報が鳴り響くため、滑り込んでくる人も。

保育園の送迎で通る人「すぐ開いて、また閉じてというのがあるので子供とか連れてると怖いなと」

危険を感じることもあるというこの踏切。実は先月、国土交通省が指定した「改良すべき踏切」のひとつです。開かずの踏切や歩道が狭く事故の危険がある踏切などを減らすため、全国で93か所が指定されました。

「改良すべき踏切」に指定された東急大井町線・戸越公園駅近くの踏切。開いている時間が短いためか、遮断機が下りても渡る人が続出。事故につながりかねない横断が後を絶ちません。

地元の人「ちょっと危ないなって気がすることはありますね」

こうした危険な踏切について、鉄道会社は自治体などと協力して、立体化など対策を進めていくとしています。

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少しでも危険を減らそうとすでに対策に乗り出したところも。神奈川県のJR南武線・平間駅横にある踏切。

通学で使う大学生「1回閉まると通れないみたいな感じ」

「開かずの踏切」として知られていて、2年前は行列ができていましたが、10日は踏切を待つ人が以前より少なくみえます。この行列解消に一役買っているのが、今年2月に導入した新システム、「賢い踏切」。

これまで、駅を通過する列車と停車する列車は両方とも同じポイントを通ると警報が鳴り始めていたため、列車が減速・停車する分、遮断時間が長い状況に。

そこで停車する列車を判別し、警報の開始ポイントを遅らせることで、遮断時間を短縮させました。

通勤で使う30代「時間も少しですけど、開いている気はするので前よりはスムーズに通れてるなと」

ただ、時間帯によりますが、短縮できたのは1時間あたり数分程度。渡りきれない人もみられました。危険な踏切を減らすため迅速な対策が求められています。