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在宅勤務でネクタイや手土産ピンチ…新戦略

2021年5月11日 18:45
在宅勤務でネクタイや手土産ピンチ…新戦略

在宅勤務が広がる一方で、スーツやネクタイの売り上げが落ち込んでいる店もあります。リモートワークの余波を受ける中、新たな商品や販売方法で巻き返しを図ろうする動きも出てきています。


あえてムラのある焼き目をつけた皮に、たっぷりのあんこをはさんだどら焼き。東京・浅草の“人気手土産”の一つです。

しかし…。

亀十・井上修一さん
「手土産として、お買い求めいただくお客様は少なくなってきてます。リモートで作業する人が増えたことが原因かなと」

在宅勤務が増え、営業回りなどの手土産需要が減少。売り上げは、かつての6割ほどになったといいます。

そこで――

亀十・井上さん
「浅草でしか買えないというイメージの強い商品だったので、地方のデパートに卸す量を増やしたり、地方発送の件数を増やして、東京に来なくても、なんとか買えるような状況を考えていきたい」

販売方法を変えて、今の苦境を乗り切ろうとしていました。

   ◇

コロナ禍で進む「在宅勤務」。実際に、国土交通省が行ったアンケートによりますと、東京在住者で、感染拡大前に週5日以上、鉄道通勤していた人は、およそ80%いましたが、感染拡大後は35%にまで減少。さらに、11.7%が「鉄道通勤をやめた」と答えています。

こうした「在宅勤務」の影響を乗り越えようとする動きが高まっています。

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ネクタイがずらりと並んだ八王子市の店。

八王子織物工業組合・串田一訓理事
「リモート関係が多くなったので、外出がないですから、男性ではネクタイがダメ。メインの商品がダメですね。2、3割はダウンしていると思います」

出社の機会が減ったことなどから、ネクタイなどの売り上げが落ち込んでいるといいます。そこで、力をいれている商品が、通常のネクタイより、ひと回りも、ふた回りも小さい「ピータイ」です。

もともとは、クールビズでノーネクタイが広がったころに開発した商品ですが、リモート会議が増えた今だからこそ、活用してほしいと話します。

八王子織物工業組合・串田理事
「リモートで見たときに、ネクタイしているんだな、ラフではないんだよと。ビジネス、仕事なんだと見せていきたいと」

ネクタイはちょっと…という女性には、かわいらしい蝶ネクタイ型の商品もあります。

八王子織物工業組合・串田理事
「本来は、ネクタイが売れれば一番でしょうけど、これはこれでまた、一つの柱として進めていきたいなと」

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一方、紳士服チェーンが打ち出したのは“驚きの新商品”。

一見、何の変哲もないジャケットのようですが、なんと、エコバッグに変身するジャケットなんです。方法は簡単。背中についているファスナーを開いて、生地を中にしまうだけ。中には500ミリのペットボトルが3本入るということです。

洋服の青山 池袋東口総本店・岩崎達弥店長
「問い合わせも含めて、非常に好評いただいています。興味を持って見ていただくことが増えました。機能面を重視したお客様には、非常に向いている商品。ぜひお試しいただきたいと思います」

特殊な生地を採用していて、バッグからジャケットに戻しても、シワになりにくいということです。

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おうち時間が増えたことで足元にも変化が――

株式会社卑弥呼 店舗運営部マネージャー・小林沙季子さん
「現在は、ローヒールがとても人気です。あまり外に出歩かれないということで、より履きやすく、歩きやすいものを求められていると思います」

かつて人気だった高めのヒールよりも、散歩や買い物など、普段使いがしやすいローヒールが売れているといいます。

株式会社卑弥呼では、今後もこの傾向が続くと見込んで、ローヒールの商品を展開していくということです。