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巨大操り人形「モッコ」被災地を伝える旅へ

2021年5月16日 18:36
巨大操り人形「モッコ」被災地を伝える旅へ

東京オリンピックパラリンピックの、公式文化プログラムの1つ、「東北復興」をテーマにした巨大操り人形「モッコ」の公演が新型コロナウイルスの影響を受けながらも15日、岩手県でスタートしました。

岩手県陸前高田市に現れた高さ10メートルを超える巨大な操り人形「モッコ」。ひょうきん者を意味する宮城県の方言「おだづもっこ」が由来です。「東日本大震災からの復興」をテーマに「被災地のいま」を伝える東京大会の公式文化プログラムで、モッコが東北を旅しながら人々の思いを集め、最終地・東京での公演を目指します。しかし、ここにも新型コロナウイルスの影響が。

人形劇師・沢則行さん「(元々)五輪・パラのテーマは『東北復興五輪』だったはずなんです。コロナの騒ぎで隠れちゃっている感じはありますけど」

こう話すのは、制作・演出を手がけた世界で活躍する人形劇師の沢則行さんです。

去年1月。私たちは「モッコ」の製作所を訪れていました。そこにあったのは、巨大な顔!ここにはある秘密が…。

人形劇師・沢則行さん「西田敏行さんとか松山ケンイチくんとかの顔を混ぜて頭蓋骨を(作った)」

東北出身の俳優を参考に表現したといいます。さらに…。

人形劇師・沢則行さん「東北から生まれて歩いている。そういうモッコという存在を作るために東北の県花を」

体には福島のシャクナゲ、宮城の萩など東北6県の県花をちりばめました。

去年2月、リハーサルを開始。重さ1トンもある人形を動かすのは一苦労です。

制作スタッフ「結構きついですね普通に」

本番にむけ準備を進める一方、沢さんは東北の人々に直接人形を動かしてもらい、「モッコ」に命を吹き込んでもらおうと計画していました。しかし、今年に入っても新型コロナウイルスの感染拡大はとまらず、観客が動かす計画は断念せざるを得なくなりました。

人形劇師・沢則行さん「体験をぜひしてほしかったんですけどそれができなくなっちゃった。生でみてほしい東北の方に」

そしてむかえた本番。観客は事前予約制で、距離を取ることができる人数に制限されましたが無事に開催することができました。

観客「なかなか迫力があっていい」「復興の願いを込めて(東京大会を)開催していただければ」

コロナ禍でパフォーマンスできたことに沢さんは――「(将来疫病や災害が起こったとき)岩手であんだけ工夫しておもしろおかしくやった連中がいたんだなっていう指標になれば良いなと思う」