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モデルナとアストラ製 どんなワクチン?

2021年5月20日 22:10

ファイザーの新型コロナウイルスのワクチンに続き、日本でも、モデルナとアストラゼネカのワクチンが承認されることが決まりました。どのようなワクチンなのでしょうか?

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厚生労働省の専門家部会は、アメリカのバイオ医薬品会社モデルナとイギリスの大手製薬会社アストラゼネカのワクチンについて、国内での製造販売を承認して差し支えないと判断しました。

これを受けて、田村厚生労働大臣が、特例承認を行い、国内ではファイザーに加えモデルナとアストラゼネカのワクチンの接種が可能になります。

ただ、接種を希望する際、どのワクチンを接種するか、選ぶことはできません。現状では、市区町村が行っている個別接種(地域の診療所など)と集団接種でファイザーのワクチンが使われていて、モデルナのワクチンは、東京と大阪で24日に始まる大規模接種で使われる予定です。

■国内の供給量は?
日本政府は、供給量についてそれぞれのメーカーと正式契約していて、ファイザー製は、1億9400万回分、モデルナ製は、5000万回分、アストラゼネカ製は、1億2000万回分となっています。アストラゼネカのワクチンの一部については、3月、輸入したワクチンの原液を瓶に詰める製品化を国内で開始しました。

■3つのワクチンの違いは?
発症を予防する有効性については、ファイザー製は、94.6%、モデルナ製は、94.1%、アストラゼネカ製は、70.4%などとなっています。

対象年齢については、ファイザー製は日本とイギリスは、16歳以上アメリカは、12歳以上で、各国とも21日間隔で2回接種しています。モデルナ製とアストラゼネカ製の日本での対象年齢は今後正式に決まります。

20日に示された厚労省の資料では、モデルナ製は、18歳以上が対象で、4週間間隔で2回接種するとなっています。アストラゼネカは、18歳以上で4週間から12週間間隔で2回接種するとなっています。

■副反応の報告は?
ワクチン接種後には副反応が出ることがあります。専門家は、熱や倦怠(けんたい)感などの症状が出るのは、「体がワクチンに反応して、免疫ができる過程だと理解すればいい」と話していますが、副反応がないから、免疫ができないということではありません。

新型コロナウイルスのワクチン接種後の副反応の報告はどうなっているのでしょうか?日本で、ファイザー製の接種後に報告されたアレルギー反応のうち、国際基準にてらしてアナフィラキシーと評価されたのは、100万回接種あたり28件でした(5月2日時点)。

また、日本で先行接種した医療従事者を対象にした調査では、接種した部位の痛みを訴えた人は接種した人の90%以上でした。37.5度以上の発熱があった人は、全体の38.4%、頭痛や全身の倦怠感が50%以上となっています。2回目接種後に症状があったという人がより多くなっています。

モデルナ製については、海外の報告では、アナフィラキシーの発生は100万人に2.5人の割合でした。

そして、海外の論文によると、モデルナ製のワクチン接種後の副反応として報告された内容は、多い順に、接種部位の痛み、だるさ、頭痛、筋肉痛、寒気などとなっています。

アストラゼネカ製については、接種後に極めてまれに、血小板減少を伴う血栓症の報告があり、イギリスでは、3月末時点で、100万人あたりおよそ4人の割合で発生しているということです。これを受け、デンマークなど一部ではアストラゼネカ製の接種を中止しています。

一方、ヨーロッパの医薬品当局は、血栓は、非常にまれな副反応で、ワクチンを打つメリットが上回るとする声明を出しています。

■変異ウイルスへの効果?
イギリス型やインド型などの変異ウイルスが国内でも報告されています。ワクチンは変異ウイルスに効果はあるのでしょうか?ファイザー製について調べた論文によると、イギリス型とブラジル型に対しては、従来株と同じ効果、南アフリカ型に対しては、効果は下がるとしています。

モデルナの発表によりますと、ワクチンは、イギリス型と南アフリカ型に対しては効果が見られたとし、南アフリカ型に対しては効果が6分の1に減少したということです。

アストラゼネカ製については、南アフリカ型に対して、効果が低い可能性が指摘されています。

■今後は?
厚生労働大臣は、この後、2つのワクチンを正式に承認し、厚労省の別の部会で、専門家がそれぞれのワクチンの国内での対象年齢などを検討します。

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