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ワクチン副反応 女性多い? 痛みは?

2021年3月17日 4:53

新型コロナウイルスのワクチンについて、3月12日、厚生労働省の部会が副反応や接種後の痛みなどについて検討しましたので、その内容をお伝えします。

■アナフィラキシーは7例

3月12日、厚労省は、新型コロナウイルスのワクチンの副反応に関して、専門医らを集めて部会を開きました。

3月9日までに医療従事者10万7558人が接種を受け、重いアレルギー症状であるアナフィラキシーの疑いがあると国に報告されたのは17例でした。これらについて、部会で検討した結果、7例がアナフィラキシーと判断されました。

診察した医師が「アナフィラキシーの疑いがある」と判断すれば、幅広く国に報告する仕組みのため、精査すると、アナフィラキシーと判断される例は、報告数より少なくなります。

なお、疑い例を含め、これらの症状が出た人は、薬を注射したり、投薬なしで安静にしたりして、全員回復しています。

症状が出た人はアレルギー歴がある人が多く、接種に際しては、予診票にアレルギーの有無を記入することが大切です。

アレルギー歴がある人も医師と相談の上、接種可能ですが、接種後30分、(アレルギー歴がない人は15分)座って様子をみることになっています。

■アナフィラキシーとは

アナフィラキシーとは、急速に現れる重いアレルギー症状のことです。

じんましんなどの皮膚症状、呼吸困難などの呼吸器症状、血圧低下などの循環器症状、腹痛や嘔吐(おうと)など消化器症状、これらのうち2つ以上の症状が出るとアナフィラキシーと診断されます。

急速な血圧低下や意識を失うなど失命に関わるようなものはアナフィラキシーショックといい、今回のコロナワクチン接種後、今のところ国内では報告されていません。

■女性に多い傾向

アナフィラキシーと判断された7人は全員女性でした。部会で議論されましたが、女性の報告例が多い理由は、まだはっきりわからないということでした。

そもそもアナフィラキシーの原因は何か? 可能性のひとつとしてあげられているのがポリエチレングリコール=PEGという成分です。シャンプー、歯磨き粉などにも使われていますが、この成分を含むワクチンは国内では今回が初めてです。

免疫学に詳しいアメリカ国立研究機関研究員の峰宗太郎医師によりますと、PEGは化粧品にもよく使われており、男性より女性の方がよりPEGに接しているため、女性にアナフィラキシーが起きた可能性も考えられるということです。

慣れているから、受け入れやすいというのではなく、繰り返し接することで、体がPEGを『異物』として覚えてしまい、PEGと戦うための抗体ができます。すると、ワクチンとしてPEGが体に大量に入ってきた時に激しく反応する可能性があるということです。

ただ、PEG自体が危険ということではありません。私たちが日常で触れるものでも、アレルギーの原因になりうるものはたくさんあり、あくまでそのうちのひとつとして可能性があるということです。

■痛みが9割の人に

12日の部会では、国の研究班による先行接種の医療従事者、約1万7000人の調査の中間報告も公表されました。

1回目の接種後、37.5℃以上の発熱があったのは全体の3.3%、頭痛が21.3%、けん怠感が23.1%でした。

接種した腕の部分が熱を持つ、腫れるといったものもありましたが、92.4%の人が接種部位の痛みがあったと報告しました。

痛みは接種翌日に出る傾向があり、痛み止めをのむ人もいたということです。

研究班の代表研究者、順天堂大学客員教授の伊藤澄信氏は、痛みについて「薬剤への反応というより、タンパクが(細胞内に)できたことへの反応と考えるのが自然」との見方を示し、「痛みが出ると思って打ってもらいたい」と述べました。

■不安や緊張で症状が出ることも

厚労省の部会では「血管迷走神経反射」についても取り上げられました。

ワクチンの成分によって起こる副反応とは違い、注射の痛みや接種への不安によって引き起こされる症状です。顔面蒼白(そうはく)、冷や汗、嘔吐(おうと)、皮膚の症状などのほか、重い場合は失神することもあります。

これまでに接種をした医療従事者の中にも、失神を伴わない「血管迷走神経反射」が複数例みられたということです。

すぐ安静にし、安心できる状況にすれば回復しますが、周りが慌てると不安や緊張が増し悪化する恐れがあります。

日本テレビが取材した茨城県の水戸医療センターでは、接種の前と後に、座って落ち着ける環境を整えたところ、この症状はみられなくなったということです。

今後、住民接種の際も、医療機関や自治体は、できるだけ人々がリラックスし、落ち着ける環境を用意すること、接種を受ける側は、説明をよく聞き、納得してから受けることなどが重要です。

■重大な懸念なしと評価

厚労省の部会は、ワクチン接種の3日後にくも膜下出血で死亡した女性については、現段階では、情報が不足しているとして、ワクチンとの因果関係は評価できないとしました。

そして、これまでの副反応報告で、ファイザーのワクチンの安全性に重大な懸念はないという評価をまとめました。

しかし、まだわかっていないことが多く、部会は、今後も副反応などの情報を集め、検討を続けるということです。

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